夜の新幹線で宴会しているサラリーマンの姿をほとんど見なくなった理由。
月に2-3回は新幹線に乗っています。出張は基本的に1人です。どこへ行くにも1人で移動。新人の頃から変わっていません。
若いころ、夜の新幹線に乗っていると、座席を向かい合わせて宴会しているサラリーマン諸氏の姿をよく見たものです。
若いころだけではなく、たぶん、10数年前くらいまではまだ見かけたような気がします。2000年くらいまで、とか?
20世紀まで、と言えばいいのかな。
新人のころから1人での出張しかなかった私は、「なんでこんなに大勢で移動しているんだろう?」と疑問に思ったものでしたが、大勢で行って大勢で進めるべき打ち合わせや案件がたくさんあったのでしょう。
最近、この「車内宴会」をほとんど見かけなくなりました。
出張とおぼしき男女は、たいてい1人で乗っています。多くて2人。D席とE席くらい。
だから、宴会も小規模です。
こちらでプシュ、あちらでプシュ。
これ、経費削減と仕事の多忙さの影響だとある企業の社長に言われました。
「僕たち(60代の方の新人のころ、ということは40年くらい前。1970-80年代か)の若いころは、上司のカバン持ちで出張したことがたくさんあって、それがとても勉強になったんですよね。で、ボクがマネージャになったころ(というと1990年代か)も、可能な限り、上司の出張について行かせて、あちこちの現場の空気を味わわせたり、往復の車内であれこれ話をしたりしたもんですが、今は、"コスト削減"が第一で、職場に仕事上の余裕もないですから、新人を出張にただ着いて行かせるなんてこと、全くできないんですよね。ボクは、今でもマネージャたちに『若手を出張に帯同していいよ。コストのことも気にしなくていいよ』と言っているんですけど、コストを気にしなくても、物理的に皆大量の仕事を抱えていたりもするので、現場はそう動かないものです」
ああ、そうか。
そういう理由か。
かつては、
お金に余裕があった。
新人の成長スピードもゆっくりでよかった。
お客さまにも、新人がくっついてきてもいいよ、という度量というか余裕があった。
そういう「余裕」が生み出した大勢の出張、そして、宴会。
まあ、新人が5人くらいの上司と先輩の出張にお供させられたら、楽しいことより、嫌なことも多かった可能性もあるので(「酒買って来い」「つまみないのか?」とパシリとして使われるなど)、この風習?がなくなったのはある意味OKかも知れないけれども、それでも、出張のお供で現場に行く、あちこちのお客様と商談する場面に同席させてもらう、という「学び」の機会は、ぐんと減ったわけで、こういうこと1つとっても、「人が自然には育たない時代」になったのよね、と思う次第。
===================================
出張といえば、先日、東海道新幹線の中で、とてつもない「スメル」に悩まされた体験を近々レポートしたいと思います。
★新幹線車内のお掃除の本、これ(↓)、面白かったなぁ。★