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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

新入社員が優秀すぎて焦る先輩。

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イマドキの新入社員は、総じて優秀です。ゆとりのない社会に生きているので、短期間での成長を求められるし、短期間で成果を出すことも期待されています。

新入社員研修は年々レベルが高くなっていき、ものによっては30代が受講しても付いていけないレベル、かもしれません。まあ、社会人経験10年もあれば、ついていくことはできたとしても、新入社員と変わらぬ苦労をするだろうと思われるような内容になってきています。

自分がいま新入社員だったら、果たして、現在提供している新入社員研修についていけるだろうか?と自問自答しますが(IT技術の研修は、30年前からついていけてませんでしたが、コミュニケーションとかマナーとかビジネススキルでもレベル高い)、ビジネススキルだとしても、無理かも、と思ってしまいます。

そういう優秀な新入社員が配属先に行くと、仕事の飲み込みも早く、いろいろなことがレベル高くできてしまうので、OJTトレーナーの先輩が、すぐに「もう教えることはない」と音を上げてしまうこともあります。実際には、「教えることが尽きる」ことなどないのですが、そう思ってしまうほど、すぐそつなくできてしまう。

だいたい、今の若い人たちは、情報検索力も高いので、先輩がちょっと教えると、自分で調べて、詳細な内容をしてしまうわけで、先輩が「だいたいこんなことじゃないかなぁ」とか「理屈は分からないけど、こういうもんだと覚えていた」なんてことは、どんどん理屈とか応用編まで調べ上げてしまうので、先輩もたじたじになってしまうわけです。

新入社員のOJT担当になった先輩は、「新人の指導をしていて、自分がおたおたした」「自分のほうが追い抜かされるのではないかと焦りを感じた」などと言うようにもなります。

後輩を育てるというのは、こうやって、後輩を鏡にしつつ、自分のあり方や自分の能力や自分のキャリアを見直すチャンスでもあります。

後輩にがっかりされないよう、先輩もまた常に進化し続けていなければならないとも言えますね。

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