人の気持ちなんて本当のところはよくわからない。
傾聴しましょう、とか、共感しましょう、とか、まあ、いろいろ心構えだのスキルだの、学ぶお手伝いをしている私ですが、
実際、人間というのは、自分でも本当の気持ちがよくわからないのだからして、
他人の気持ちなんてもっとわからないわけです。
たとえば、
「このケーキ、美味しかったから、一切れどうぞ」
と誰かに差し出して、おすそ分けして、
「わー、ありがとう」
と本当に笑顔で言われたとしても、
内心、
「ああ、ダイエット中だって言っているのに、わざとケーキくれたのかしら?」
と思われているかもしれない。
「だったら、ダイエット中です」って断ってくれてもいいのに、と思うけれど、
「ダイエット中なんで、要らないです」なんて断ったら空気乱すし、なんて思って、相手は「ありがとう!」と応じたのかもしれない。
色々考えているうちに、一番いいのは、余計なことをしないことだ、と思い、
話しもしないが、聴きもしない。
ケーキも配らない。
ケーキを貰わない。
・・・そうやって、人間関係は、職場は、殺伐としていく・・・なんてこともありそうです。
結局、夫婦でも親子でも同僚でも「人の気持ちなんて本当のところはよくわからない」
という前提に立ち、
だからこそ、
「私はこう思っているのだよ」
「私はこれが好きなのだよ」
「私はこれがしたくないのだよ」
と意思表示をしていくことが必要なのかもしれない。
ダメ元でも「言ってみる」
「言わないこと」は「ないこと」になるから。
そう、
「言わないこと」
は、
「存在しないこと」
なのだ。
「おなかすいた」
と言わないでいると、
周囲の人にとって、私が「おなかすいている事態」は、存在していない。
「わかってもらいたい」「理解してもらいたい」「配慮してほしい」と思ったら、
相手との間で、自分の考えや状況や想いを「存在させる」ことからスタート。
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