お一人様ですけど、何か?
夫婦と子ども二人という「標準世帯」というのはもはや「昭和」な「標準」であって、4人家族がもっともメジャーではない・・・そうだが、それでも、30代も後半くらいになってくると、結婚しているのだろうな、子どもくらいいるんだろうな、という前提で会話されることは増えてくる。ましてや、40代、50代となればなおさらである。
最近経験したものだけざっと挙げてみよう。
●1回目:和装小物売り場で
デパートで和装用のバッグを見ていた時のこと、店員さんがすすーっと寄って来て、いきなりこう言った。
「お嬢様のですか?」
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えっとー、なぜ最初の質問が「お嬢様のですか?」なんだろうか?
『もしや、ここは成人式用の売り場だったか?』ときょろきょろしてしまったが、普通に和装小物売り場だった。
12月であったことから、そういう発想だったのか、私が着物を着そうないと思われたのか、
理由不明だが、とにかく、第一声が「お嬢様のですか?」だった。
「お客様ご自身のですか?」と尋ね、「いいえ」と言われたら、「お嬢様の?」という展開が普通じゃないかと思うのだけれど、どうなんだろう?
●2回目:家具やさんで
昨年10月にダイニングチェアを4脚買い替えた。
お揃いではなく、4脚全部異なる椅子にした。
1月になって、座面に敷くマットを購入しよう、椅子を購入した家具やさんに再び行ってみた。
「昨年、4脚をここで揃えまして、全部異なる椅子にしたんですよ。それで、今日はマットを・・」なんて話をしたら、
「あ、そうでしたか。ありがとうございました。それで、もうどの椅子にどなたがお座りになるって家族内で決まったのですか?」
と言われた。
まあ、これは、想定内の質問だったので、
「あ、私、一人なんで、一人でとっかえひっかえ、その日の気分で椅子を入れ替えています」
と言うと、店員さん、
「失礼しました!」
と詫びるのであった。
前から思っているんだが、あまり重々しく詫びないで欲しい、こういう時は(笑)。
●3回目:靴売り場で
これは昨日の出来事なんだが、再び雪が降るという予報を聞き、デパートの靴売り場で雪用ブーツを買うことにした。
ゴム製のそれは、かなり大きいサイズでも、脱ぐのが難しかった。
脱ごうと力を入れるとふくらはぎが攣ってしまった。
店員さんに、
「う、脚、攣りました。・・・これ、皆さん、どうやって脱ぐのですか?」
と尋ねると、
「片方のかかとで踏んでいただくとか、あるいは、ご家族に引っ張ってもらうとかですね」
と言う。
「私、一人なので、引っ張ってもらうのは無理ですねぇ」
と言った後、疑問が涌いて来て、さらに
「そもそも、それ、なんか変ですよね。 家族がいないと脱げない靴なんて・・・」
と笑いながら感想を述べてみた。
(脱ぐことを考えて、結局、25-25.5㎝という大き目のを買うことにした)
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なんか、ほんと、メンドクサイなぁ。
数年前のこと。 初めて行った近所の美容院。
夜19時過ぎになってしまったら、美容師さんが、
「遅くなってしまって、ごめんなさい。ご飯の支度とか大丈夫ですか?」
と聞くので、
「ええ、大丈夫です」
と答えたら、そこでやめておけばいいものを、
「ご家族から文句言われませんか?」
などと追い打ちをかけられたので、
「家に誰もいないので、大丈夫です」
と力強く答えたのだが、
「お留守なのですね」
とかなんとか言われ、ものすごーくめんどくさくなってしまったこともあったなぁ。
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きっと、こういう思いは、シングルシニア男性でも味わっているのだろうなぁ・・・。
やたらとメンドクサイぞ。
こういう経験をした時は、心の中で
「お一人様ですけど、何か?」
と呟くことにしている。
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●ダイヤモンドオンラインの記事で「23区は単身世帯が半分」というのを見つけた。 → コチラ