ソーシャルCRMへの5つの進化
ソーシャルCRMの進化プロセスをFabio Ciprianiの議論をもとに整理して考えてみる。
大きくは5つの要因がソーシャルCRMへの進化を支える。
要因1 カスタマーの進化、ソーシャルコンシューマーの登場
カスタマー同士のつながりが生まれ、カスタマー同士のコラボレーションが生まれる。たくさんのコネクションがカスタマーとコミュニティの理解を深める。伝統的CRMではターゲティングされたメッセージが価値を生んだが、ソーシャルCRMでは対話が価値の源泉となる。
要因2 タッチポイントの進化
企業内部に蓄積されたカスタマー情報に加えて、企業はソーシャルネット上のカスタマーのプロフィールやコミュニティにおける行動履歴などの情報に頼らなければならなくなった! 後者の情報は企業がコントロールすることはできない。
要因3 ビジネスプロセスにおける進化
従来CRMは、顧客のターゲティング→顧客獲得→顧客保持→顧客開拓のプロセスからなる。対して、ソーシャルCRMは、カスタマーの視点からのビジネスプロセスを捉える必要性が高まる。購買はプロセスの一部となり、ニーズを確認→決定→経験→シェアリングというプロセスに変わる。プロセス中心の見方から対話中心の見方への転換が必要となる。
要因4 組織マインドセットの進化
ソーシャルツールで結ばれ全ての従業員と最終顧客を結ぶことからイノベーションが生まれる。カスタマーがイノベーションサイクルの中心に位置するようになる。
要因5 テクノジーの進化
従来CRMが内部のビジネスプロセスを自動化とサポートすることにフォーカスしてきたが、ソーシャルCRMでは組織の内外のコミュニティをつくりあげることにフォーカスが移る。従来CRMのプロセスサポート機能に加えて、対話サポートツール、モニタリングツールがソーシャルCRMを支える構造になる。
ソーシャルカスタマー、ソーシャルコンシューマーの登場だけはダメで、企業の見方をカスタマー中心に転換できるかどうかがソーシャルCRMの進化を支えると思います。