グルーポン型ビジネスの存在意義ってどこにあるんですか?
今回はインタビューを編集してお届けします。
(質問)昨年から
アメリカで成功したグルーポンを真似たビジネスが日本でも急増しましたが、このビジネスをどうみていますか?
(熊沢)ソーシャルメディアを使って
情報を拡散してお客を集客するところに重きが置かれすぎていますが、本質はそこにはありません。
(質問)どこに本質があるんですか?
(熊
沢)このビジネスは、典型的な、価格弾力性の違いを利用した価格差別戦略です。仲介者がいるかどうかは本質とは関係がありません。生産者が、価格に対して
非弾力的な顧客とそうでない顧客を区別する方法をみつけ、その違いによって、価格を変えることができるならば、同一の課す場合よりも、消費者余剰を吸い上げることができます。
(質問)昔からあるもんものなんですか?
(熊沢)昔からある意味ではあります。クーポンによる差別化、マイ
レージとかも本質的には同じなんです。他にも、ソーシャルゲームのフリーミアムも本質は同じなんです。利用を無料にしてアイテムを有料でエンゲージメ
ントの高い顧客とそうでない顧客を見つけ出す。
広告業界で、「広告の半分はムダだがどちらのムダかはわからない。だから、その両方に広告を出さなければいけない」という笑い話があります。グルーポン型ビジネスはこれとは違うんです。どちからがムダかがわかる方法を見つけたということなんです。
いわば、お客のエンゲージメントデータを開示させる方法なんです。そのエンゲージメントの低いところでは安い価格を、高いところに は通常の価格を課すというあり方です。
(質問)よくグルーポンを使うことが損か得かということが言われますが・・・
(熊沢)価格
弾力性が低いビジネスではこの2重価格による差別化がうまく機能しないでしょう。あくまで、その違いがあるところが重要なんです。全てのお客が価格弾力性が高い場合も、グルーポンに殺到して、実際の店舗で通常料金でお金を払う人がいなくなっちゃいますから。
(質問)今度は、このようなビジネスはどうなると予想されますか?
(熊沢)今後、もっと、消費者のWilling To Payに基づいた、消費者の価値を開示させて、それに基づいて1人1人のプライシングを変える手段が生み出されて行くと思います。ソーシャルメディアのお陰で様々な手法がやりやすくなっているんです。
本日はありがとうございました。
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