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トリプルメディア論再考②!? ソーシャル時代のブランドとは?

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前回のレポートで、トリプルメディア論の3分類、①ペイドメディア(Paid Media)、②オウンドメディア(Owned Media)、③アーンドメディア(Earned Media)は現状をうまく説明できていないと論じました。

さりとて、この3分類にさらに新しい分類を加えても、決してわかりやすくなるわけではありません。

一番必要なのは、メディアのコミュニケーション特性で評価する「共通の評価軸」でしょう。

メディアを評価する軸は何が適切でしょうか?

私は、現在のメディアの評価軸としては、(対話型か、一方向型か)、(リアルタイムか、ノンリアルタイムか)の2軸が一番有力ではないかと考えています。この違いによって、顧客側の満足が大きく異なるからです。この場合のリアルタイムは「場所と時間の制約がない」、ことを意味しています。

そうしますと、メディアを4分類することができます。大まかに分類すると以下のようになります(ケースによっては異なりますが)

①(対話型×ノンリアルタイム)  email、Q&A、コールセンター
②(対話型×リアルタイム)     コミュニティ、ソーシャルメディア
③(一方向型×ノンリアルタイム) テレビ、雑誌、ラジオ
④(一方向型×リアルタイム)   テレビ、WEB

現在メディアの特徴は、②の領域(対話型×リアルタイム)が、顧客にとっても、企業にとっても非常に満足度が高く魅力的になってきました。

また、一方向型の宣伝メディアの信頼度が落ち、③、④の領域でブランドを築くことが非常に難しくなっています。リアルタイムの双方型の対話、体験、そして経験こそがブランド構築のカギになっています。現代はブランドがリアルタイムに生まれているのも一つの特徴だと思います。ソーシャルメディアの真の力は、個々の顧客にパーソナルに対応しつつ、企業との対話に引き 込む能力にこそあります。

リアルタイムマーケティング・メッセージ
・現状のメディアポートフォリオ(①〜④)を作り、その価値評価をする
・ 現代のメディアポートフォリオをどのような方向に変えていくことで、顧客との関係性を深めることができるか?どの顧客セグメントの価値を具体的に高めることができるか、という観点からメディアミックスを考え直す必要があるでしょう

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