ねじれている生命保険業界
普通、その業界のリーディングカンパニーで商品を購入したり、サービスを受けたりすることは無難な選択となります。
例えば車を買う場合にトヨタを選択するのは堅い選択であり、大きな失敗はないですよね。
必ずしもリーディングカンパニーがベストとは限りませんが、こだわりがない、よくわからない場合は、その業界の最大手から購入するケースが多くなると思われます。
概ねリーディングカンパニーの商品やサービスは業界の上位であり、顧客満足度も高く、だからこそリーディングカンパニーでいられるわけです。
翻って生命保険業界です。
リーディングカンパニーといえば、日本生命、第一生命、明治安田生命、住友生命・・と日本人なら子供でも名前はなんとなく知っている知名度の高い会社です。
100年ほどの歴史があり、CMも有名タレントを使い、大資本であり、機関投資家であり、シンクタンクでもあり、就職先としての人気が高いところがほとんどです。
しかし、まともな業界人で、新たに上記の伝統的大手国内生保に加入する人はいないでしょし親類知人に勧める人もいないでしょう。
つまり、消費者として日本のリーディングカンパニーである大手国内生保に加入するのは、明らかに賢い選択ではないのです。
このことについては、これまでも書いてきましたが、単純に同程度の保障において保険料がかなり割高であったり、使い勝手が悪いパッケージ商品がメインであったり、分かりづらい構造であったりと二重苦、三重苦の状態です。
また悪質な「不払い」の総本山であった会社は大手国内生保のひとつであり、モラルやコンプライアンス(法令遵守)の点でも問題が指摘されるケースも多々ありました。
なぜ、こんなにデメリットが多い大手国内生保の多く方々が加入してしまうのでしょうか。
正直なんのメリットもありません。
外資、カタカナ、損保系に比べると明らかに劣る商品しかない伝統的大手国内生保ですが、巧みな宣伝広告によるイメージ戦略とその知名度で、リーディングカンパニーの地位を堅持しているのが現状です。
生命保険は難しい、面倒くさい、どこでも変わりない・・・という方はまだまだ多く、それであれば職場に来た知っている生保会社のお姉さまから取り合えず加入しおくか・・・となるのは「愚の骨頂」と言っても言いすぎではありません。
明らかにねじれていますよね。
知名度が高く機関投資家として日本の債権を買い支えていてる、大学生の就職先として人気のリーディングカンパニーの商品を購入するのが「愚の骨頂」になってしまうなんて。
規制緩和があった1996年から15年経ちますが、まだ大多数は規制緩和以前の状態と大差ない状態です。
護送船団方式がくずれて、外資系の守備範囲が広がり損保系生保が台頭して乗り合い代理店や保険ショップが登場し、ネット専業生保まで出てきましたが、生命保険業界の「ねじれ」は残ったままです。
もちろん、規制緩和以前より大手国内生保のシェアは下がっていますが、それでも7割ほどを占めています。
携帯電話やTVなど目に見えて毎日使うものについての変換のスピードに比べると、超スローモーに感じます。
目に見えず、毎日考えていたら気がめいってしまう生命保険ですので、仕方がないと言えば仕方ないのかもしれませんが、ギャップが大きすぎます。
「リーディングカンパニーの商品を購入したら明らかに損」だなんて業界、他にあるでしょうか?
他にもいろいろ書いています。
ご興味があればお立ち寄り下さい。
保険選びネット
http://www.hoken-erabi.net/seihoshohin/goods/7578.htm
<具体的な商品の比較など月一で書いています(ほぼ月末更新)>
今回は、密かなブームとなっている「貯蓄型の収入保障」の考察です。
ヤフー知恵袋
http://my.chiebukuro.yahoo.co.jp/my/shigotonin38
<知恵ノートはほぼ月二で随時更新、生保関連の質問にも答えています>
ご指名の質問大歓迎です。