お金の代わりに「時間を寄付する」という考え方「CollaVol(コラボル)」
「マイクロタスク(細切れ)」のオンライン/オフラインでのボランティアに参加することで、時間を寄付するという考え方のソーシャル・ボランティア・プラットフォーム「CollaVol(コラボル)」を紹介します。
CollaVolはAki WatanabeさんとTakuro Yoshidaさんによる運営チームが、2012年3月3日にβ版を公開したばかりの新しいサービスです。
マイクロタスクのボランティアで時間を寄付する
基本的なサービスはボランティアの募集とボランティアをしたい人とのマッチングです。通常のマッチングサイトと違うところは、作業を細切れにした数時間単位のマイクロタスクでボランティアができること。そして、短時間のマイクロボランティアに参加することで時間を寄付するという考え方です。
「オンライン」と「現地」の2つのボランティアタイプ
ボランティアには「オンライン」と「現地」の2つのタイプがあります。オンラインでできるものは、例えばロゴ作成・イラスト作成などのデザインや、チラシ・ポスターの作成、WebサイトやFacebookページの作成など。実際の例としては「途上国のICT教育支援に携るNPOのコピーライティング支援」などがあります。
一方、現地タイプのものは、ゴミ拾い、イベントやセミナーの運営サポート、チラシ配布、インタビュー実施、子供と遊ぶなど比較的短期間・短時間でできるものばかり。実際の例としては「渋谷の街を朝そうじ、終了後はみんなで朝食会を開く」などがあります。
「ボランティア履歴書」に参加した活動が記録される
実際にボランティアに参加すると、合計活動時間、合計寄付相当額(作業量を時給と活動時間で計算した目安の金額、実際に寄付されるわけではない)、合計参加数、参加したボランティアとその年月日などが「ボランティア履歴書」に記録されます。履歴書は公開され、他のユーザーの履歴書を参照することもできます。
いろいろと新しい試みが詰まっているが
Collavolには、「時間を寄付する」「マイクロタスクのボランティア」「オンラインのボランティア」「ボランティア履歴書などのゲーミフィケーション的な要素」など、いろいろと新しい試みが詰まっています。
ただ、私は本来のプロボノは数カ月間のプロジェクトとして、メンバー間で目的や情報を共有して実施するものだと思いますので、細切れでかつオンラインとなるとコミュニケーション不足などにより十分な成果が出せないものもあるのではないかと思います。まだβ版ですし、運営チームの方はこの辺の懸念はすでに認識されているとは思いますが。
従来の数カ月に渡るプロボノのプロジェクトへの参加は難しくても、短時間のマイクロボランティアなら参加できるという人に間口を広げるという点では、とてもいいと思います。
それぞれの時間をちょっとずつ使って、人を助けたり、問題を解決したりできるような社会にしたい
というコンセプトにも大いに賛同します。