途上国から世界に通用するブランドをつくる「マザーハウス」
今回はエシカル消費ができるブランドを紹介します。バングラデシュのジュート(麻)やレザーを用いて作ったバッグなどを製造・販売するマザーハウスです。マザーハウスの物語、そして創業者の山口絵理子さんは有名なのでご存知の方も多いかもしれません。
バングラデシュのジュートを用いてバッグを生産
マザーハウスはバングラデシュの特産品であるジュートという麻素材やレザーを用いて、バッグやアパレル製品を生産し、同商品を日本などの先進国で販売しています。「途上国から世界に通用するブランドをつくる」ことを目標に、現地の素材をみいだして用い、現地の雇用を創出しています。
設立は2006年3月、現在ではバングラデシュに加えて「第二の生産国」にネパールが加わり、日本の直営店・取扱店はオープン間近を加えて9店舗、台湾・台北にも3店舗(オープン間近を含む)が展開されています。このほかにも期間限定店などもありますので、その勢いは止まるところを知りません。
スタートは「アジア」「最貧国」の検索から
「現地の素材をみいだして用い、現地の雇用を創出する」ことばにすれば簡単ですが、このビジネスモデルを軌道に乗せるまでには、とてつもない困難があったことは想像に難しくありません。冷静に考えれば、このビジネスモデルはコストや効率性などの観点から一般的には実現はとても難しく、例えばコンサルティング会社などにアドバイスを依頼すれば、間違いなくはじかれるようなものではないでしょうか?その不可能とも思われるビジネスを実現して拡大しているところに、創業者の山口絵理子さんの普通ではない凄さがあります。
彼女は慶應義塾大学総合政策学部在籍中に米州開発銀行でインターンとして勤務、そこで目の当りにした先進国目線の途上国支援に疑問を感じ、「アジア」「最貧国」で検索した結果からバングラデシュに渡り、そのまま現地の大学院に入学、卒業後にビジネスをスタートさせたという経歴の持ち主です。
この辺の経緯は彼女の著書に詳しいので、興味のある方は読んでみていただければと思います。
いつかこの人と肩を並べて、超えてみせる
私もご本人に会ったことが2回ほどあります。彼女はブログやメルマガなどで日本にいて店頭に立つ時間を教えてくれるので、入谷本店(現在、本店は移転)に2回行き、少しお話しをすることもできました。彼女は普通の小さなかわいらしい女性で、「この小さな体のどこにあんな情熱があるのだろう??」と思うような人でした。私は「エリコレザー」といわれるレザーを用いた名刺入れを購入しました。
実は一緒に行った知人は、商品を入れるコットンバッグに彼女のサインをもらっていました。私もサインをもらおうかどうか迷ったのですが、結局もらいませんでした。そのときの私の心の中には「いつかこの人と肩を並べて、超えてみせる」という気持ちがあったからです。
その気持ちはいまでも変わりません。私が準備中の社会貢献型ビジネスは、一部修正などの必要が発生し、現段階ではまだまだ彼女の足元にも及びません。ただ、いつか対等の立場でお話ができる日がくればと思っています。