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新型コロナ東京都の陽性率が56%と急増?実は約20%で横ばい

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NHKが報じた 新型コロナウイルス PCR検査の「陽性率」 全国的に上昇か 2020年4月18日 19時55分 が一部で波紋を呼んでいます。

▽東京都が先月14日までの平均が10%だったのに対し、4月16日までの2週間の平均は56.1%で全国で最も高くなっています。

とあるように、検査陽性率が10%からここ2週間平均で5.6倍に増えたと報じているからです。しかし、このデータは間違っています。東京都のPCR検査件数は、

(毎週金曜日に、前週木曜日から当該週水曜日までの日々の件数を反映)

となっており、動向を見ての補正をして週間の数字で見る必要があります。この補正係数がどうかはともかく、これで一貫性のある傾向分析が可能となっており、最新の4/15までの週間検査陽性率は約20%で、経路不明に限ると週間陽性率は4月8日の11.7%から4月15日の13.9%に上昇という程度です。

けんもねずみさん調べ 新型コロナ検査数と陽性率などのデータポータル 東京都

FireShot Capture 323 - 新型コロナ 県別・時系列グラフ_ - https___datastudio.google.com_u_0_.pngFireShot Capture 324 - 新型コロナ 県別・時系列グラフ_ - https___datastudio.google.com_u_0_.png

検査数や検査人数データを出しておいて、割り算したら整合性が取れずに誤解してしまうという東京都の問題はあるとは思いますし、積極的に推定陽性率データを出しておけばいいのにとも思います。

ともあれ、NHKが報じた56%と急増というデータは間違っていて実態を表してないのは確かです。

この56%という数字は尋常ではないすごい比率であり、NHKは全国ニュースで報じるからには追加取材なり、データ分析なりすべきであったし、他のマスコミもこの数字に注目して検証すべきでしょう。

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