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プロダクトマネジメントとイノベーション

クラウドコンピューティングは儲からない?

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Tim O'Reillyが「クラウドは儲からない」という趣旨のブログを書いたことで、米国では活発な論争が起こっています。

これはもともと、Huge MacLeodが「クラウドを独占するベンダーがいよいよ出てくる。それはWindowsやAppleの比ではないぐらい巨大な市場を制することになる」という発言をしたことに反論したものです。

その後もいろんな人がいろんなことを言っておりますが、私はTim O'Reillyの「Ultimately, on the network, applications win」(結局、ネットワークではアプリケーションが勝つ)という見方を支持します。Timは、OracleのLarry Ellisonが「Salesforceは利益を生まないし、クラウドは儲からない」と言った件にも賛成する一方で、それは単に「ソフトウェアライセンス事業、あるいはハードウェア単体事業は儲からない」ということを言ってるのみであり、アプリケーションは、ネットワーク上のクラウドで総合的な付加価値を追加して提供されることで価値を産むはずだ、とも言及しています。

昨今、クラウドに関してはまだプラットフォームレベルの技術論が盛んですが、そろそろ、クラウドで何をするのかという議論が必要だと思います。「アプリケーションが勝つ」といっても、日本には標準的なアプリケーションが馴染みにくいという傾向があります。Timの考察のさらに先をいかないと日本でのクラウドコンピューティングは「一体誰のためか?」と疑問視されてしまう可能性があります。

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