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予測できないITの行く先を、あちこち歩きながら考えてみます

小川さんのWeb2.0 Bookを読みました

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ちょうど梅田氏の「ウェブ進化論」を読み終わったナイスなタイミングで、Speedfeedの小川さんからWeb2.0 Bookをいただいたので、ありがたく読ませていただきました。

ウェブ進化論が、テクノロジの進化によって社会がどのような影響をうけるのか、といった社会論的な色彩が強いのに比べると、このWeb2.0 Bookは、Web2.0と呼ばれる現象をテクノロジとビジネスの両面から紹介することに力点が置かれています。Web2.0という言葉はいまひとつ実態がつかみにくい面がありますが、この本には「Web2.0と呼ばれているものはコレだ」という具体的なテクノロジやサービスが紹介されているので、一種のリファレンスとして使えます。

そして、テクノロジやサービスの紹介のあいまに、著者が予想する「その先」が書かれているため、その予想も自然に受け止められます。例えばRSSの解説に続いて、Web1.0の時代はサイトA→サイトB→サイトCと見て回るウェブサーフィンが主流だったことが、Web2.0の時代にはRSSを使って、サイトAの見たいところとサイトBの見たいところとサイトCの見たいところを、それぞれかいつまんで読む、というようにユーザーの振る舞いが変わることが説明される、というわけです。

著者の予想する内容も含めて、Web2.0についてこまめにウォッチしてきた人なら既知の内容が多く含まれてはいますが、それでも僕は、Web2.0がアジャイル開発プロセスまで影響を与えていたり、マッシュアップの知らない例が紹介されていたり、iTunes/iPodのWeb2.0的な意味など、新しい情報をいくつも見いだすことができました。Web2.0はテクノロジの面から語られることが多いですが、そこを押さえつつもサービスやビジネスモデルも含めて網羅している面が、やはりこの本の最大の価値といえるでしょう。

この本をリファレンスにして、ぜひ次は大胆な予測や提言などを含んだ次回作が読みたい、という感じです。

ところで、小川さんのPodcastingの裏話。最終回(先のリンク先ページの下から4回目)は、台本なしで5分間きっちりしゃべってましたよ。まるで台本があるようにうまくしゃべってるので、ぜひ聞いてみてください。

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