マイクロソフトやサンの収入源は多様化していく
マイクロソフトのスティーブ・バルマー氏が来日し、Googleに対抗して「広告ビジネスに本格的に取り組んでいく」という発表を行った会場には、@IT、CNET、Internet Watch、それからたぶん日経ITproの記者が揃っていました。派手な音楽とともにバルマー氏がステージから去ったあと、なにげなく集まった記者の一人がこういいます。「これからはマイクロソフトも競合だ」。
現在、@ITやITmediaやCNETやInternet WatchやITproなどのオンラインメディアの収入のほとんどは広告からです。ですから、マイクロソフトが「オンライン広告ビジネスを始める」とあれば、広い意味でオンラインメディアとは競合関係になります。記者のこぼしたセリフはまさに本音で、会場の記者はだれもが同じ気持ちでスティーブ・バルマーを見つめていたのではないでしょうか。
そういえば、サン・マイクロシステムズは同社の企業向けソフトウェアの中核だったアプリケーションサーバなどを含む「Java Enterprise Server System」や、ユーティリティコンピューティングの基盤となる「N1」をオープンソースにすると発表しました。サンはソフトウェアからの収入をあきらめたのでしょうか? さにあらず。
サンの社長でCOOのジョナサン・シュワルツ氏はブログでこう説明しています。「フリーにすることでデマンドが広がる。開発者や自社内にサポート部隊を抱える人たちなどが採用してくれることでシェアが広がり、結果的にサポートやライセンス収入を拡大できる」とのこと。同時にサンのハードウェアを買ってもらうことも期待しているはずです。
ソフトウェアを収入源にする方法は多様化していく、と、(たぶん)スターウォーズ好きのアナリストも会議室で私に明言してくれました。ソフトウェアベンダは、テクノロジを進化させるだけでなく「どうやってそれを収入に変えるか?」という方法についても適切に選択しなければならなくなってくるのでしょう。
そんなわけで、最初のエントリです。今後ともよろしくお願いします。