「なにが悪いの?」
ITとは全く関係のない時事ネタの独り言です。
先日、上海在住の友人であり、クライアントである起業家KとSkypeチャットで打ち合わせをした後、「ところでさぁ」とKが切り出した。
「ひとつ疑問が」
「日銀の福井総裁って・・・ニュース見てて思ったんだけど・・」
「なにが悪いの?」
御意。
まず、糾弾の主旨は理解している。世間の論調も批判的で、日銀の権威を失墜させたと叫んでいるメディアが多い。確かに日銀総裁という立場はあるのかもしれないが、「そこまで騒ぐことなのか?」というのが自分の率直な印象だ。お前に倫理観はないのか、と言われるかもしれないが、周囲に聞いてみてもあまり今回の騒ぎにピンときていない人が多い。福井総裁の報道を通じて自分が思ったことはただ二つ。
・「資産運用も自由にできない公人の立場というのは大変だな」
・「日本経済の頂点にいる立場の人間の資産が【たったの】3億しかないの!?」
前者についての単純な疑問は、日銀総裁に資産運用する個人の権利はないのだろうか。それに資産運用した先が、本人の弁を借りればたまたま個人的に応援する意味でお金を預けた村上ファンドだった、ということにすぎないと思う(インサイダーの疑惑については別の問題)。仮に意図して村上ファンドを選んだのだとしてもそれほど騒ぎ立てることではないと思うのだが。
さらに自分にとって衝撃だったのが二点目。日本の金融情勢を左右する重鎮の資産が3億しかないの??もちろん、表に出さないこれ以外の含み資産もあるのかもしれないが、海外の同じ立場にいるエスタブリッシュメントだったら、はるかに資産があると思う。日本の金融機関の頂点という社会的地位にいるのにこれだけの資産しか持っていないことの方が、よっぽど日本社会の問題だと考えてしまう自分の感覚はおかしいのだろうか(ご本人の生活設計の結果かもしれないですが)。
友人Kとの短いやりとりで、やはり日本は嫉妬社会で、糾弾する背景のどこかにホリエモンや村上氏の時と同様のやっかみ心理が見えてしまうよね、という話になってしまった。
さらに言い方は悪いけれども、国会も70過ぎのご老人の首根っこ捕まえて吊るし上げてる暇があるんだったら、他にもっとやるべきことあるんじゃないのかぁというのが、率直な感想なのですが・・・。