愛知県の交通事故死者数12年連続ワースト1位だが、実は車の保有台数当たりの死者数は少ない安全県
1月5日に警察庁から「平成26年中の交通事故死者数について」という資料が発表されました。毎年発表される都道府県ごとの交通事故死者数のデータで、今年も私の地元である愛知県がワースト1位となりました。ちなみにオフィス兼住居のある神奈川県が2位となっています。
警察庁「新着情報一覧」
http://www.npa.go.jp/newlyarrived/
政府統計総合窓口「平成26年中の交通事故死者数について」
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001128896
詳しいデータは上記のリンク先にありますが、交通事故死者数のベスト10とワースト10は以下のとおりです。
ベスト10
順位 都道府県 人数
1 島根 26
2 徳島 31
3 鳥取 34
4 沖縄 36
5 秋田 37
6 和歌山 39
7 高知 41
8 山形 44
8 富山 44
10 奈良 45
ワースト10
順位 都道府県 人数
38 静岡 143
38 大阪 143
40 福岡 147
41 北海道 169
42 東京 172
43 埼玉 173
44 千葉 182
44 兵庫 182
46 神奈川 185
47 愛知 204
名古屋出身の私は遠い昔から、この時期に恒例のニュースを見聞きして愛知県は交通事故死者数の多い県だと思っていました。数年前に交通安全に関する仕事をした際に調べていると「あれ、チョット違うぞ」と思ったことがありました。
都道府県ごとの車(乗用車、貨物車、乗合車、特種車、二輪車)の保有台数のベスト10は以下のとおりです。
順位 都道府県 台数
1 愛知 5130411
2 東京 4425425
3 埼玉 4037751
4 神奈川 3997987
5 大阪 3739684
6 北海道 3737904
7 千葉 3577701
8 福岡 3321374
9 兵庫 3014609
10 静岡 2867339
愛知県は2位を大きく引き離して全国1位です。交通事故死者数ワースト10と車の保有台数ベスト10のの都道府県は順位はバラバラですが同じ顔ぶれになっています。このデータは自動車検査登録情報協会が平成26年9月末の「都道府県別・車種別保有台数表」から拾っています。
自動車検査登録情報協会「都道府県別・車種別保有台数表」
http://www.airia.or.jp/publish/statistics/number.html
もうお分かりでしょう。車の多い都道府県ほど交通事故死者数が多いという、当たり前な数値となっています。では車の保有台数当たりの交通事故死者数を2つの数値から計算すると以下の結果となります。数値は10万台あたりの交通事故死者数です。
ベスト10
順位 都道府県 人数
1 沖縄 3.35
2 群馬 3.76
3 大阪 3.82
4 東京 3.89
5 愛知 3.98
6 埼玉 4.28
7 長野 4.32
8 福岡 4.43
9 秋田 4.48
10 北海道 4.52
ワースト10
順位 都道府県 人数
38 岩手 6.24
39 山梨 6.53
40 香川 6.66
41 鹿児島 6.96
42 高知 7.27
43 鳥取 7.31
44 愛媛 7.38
45 福井 7.42
46 三重 7.45
47 佐賀 8.32
愛知県は5位、大阪府3位、東京都4位、埼玉県6位、福岡県8位、北海道10位と単純な交通事故死者数でワースト10に入った都道府県が逆に上位にきています。車の保有台数当たりの交通事故死者数という見方をすると、安全運転の都道府県とも考えられます。ちなみに神奈川県は11位でした。唯一兵庫県だけが33位とこの数値でも下位に沈みました。
長崎県警のホームページでは人口10万人当たり死者数、免許人口1万人当たり死者数、道路実円超千キロ当たり死者数が掲載されています。平成26年11月末の集計ですが参考になると思います。
長崎県警「都道府県別交通事故死者数の状況」
http://www.police.pref.nagasaki.jp/a41kikaku/jikotoukei/19sisyasuu.pdf
さて、都道府県の順位よりも大事なのは交通事故死者数の合計が減っていることです。平成26年は4,133人。平成4年の11,451人からおよそ1/3まで減少しています......素晴らしい。
ちなみに平成4年は一般道でシートベルト着用が義務付けられた年です。それ以外にもABSやエアバッグの装着率が上がったことなど車の性能向上もあります。先日紹介したスタッドレスタイヤのようにタイヤの性能向上もその1つだと思います。このあたりのお話しはまたの機会にしたいと思います。