ネコノアシの本
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イタリアでマンガを教えている山根緑さんは「ネコノアシ」というエージェントもやっていて、イタリアのマンガを日本に紹介しようと活動している。
今回の交流で持ってきてくれたのが、こんな見本。作品のごく一部を右開きに反転して翻訳している。マンガを出版しているところよりも、わりと趣味的に絵本などを出しているところがいいんじゃないかと思うが、山根さんもそう考えているようで、そういう仕様を考えての右開きだろう。
僕とゼミ生らの間で人気があったのが、この『クロナケッテ』(ジャコモ・ナンニ)。作家が拾った飼い猫の14年間を描いた作品で、原本はかなり厚いけど、シンプルなので読みやすいし、読みたくなる。
『クロナケッテ』が、ただカワイイだけの作品じゃないだろうことは、同じ作者の『こわがることをおぼえるために旅にでかけた男』を少し見ると想像できる。ちょっと『大発作』を連想する作風で、グリムの寓話に取材しているとか。黒い画面が、途中で赤黒になる効果がいい。
もう一冊は『私をもっとしっかり見て』(ルカ・ルッソとクリスティアーノ・シルビ)。かなり複雑な心理劇的物語のごく一部なので、何ともいえないが(カラーもコピーみたいで退色してるし)、紹介文によると〈イタリアとフランスを舞台に繰り広げられるメランコリーで甘苦いストーリー〉〈言ってはいけない言葉を最悪の状況で思わず口に出してしまった事から人生が変わってしまう[略]愛の物語〉〈思わず引き込まれるロマンチックな物語〉だそうである。
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