スマートフォンの発達がどのように消費者行動を変えていくか?
前回に続いて、Google Mobile Ads Blog の記事のご紹介です。
今回は「Mobile and the Shopper Marketing Business」という記事で、消費者の行動は、どんどんとモバイルデバイスの進化によって変わっていくよという内容なんですね。
これはGoogleが「Shopper Marketing Summit」で行った講演の内容抜粋です。
具体的にはこのお二人。
- Googleのセールスアンドサービスでマネジングディレクターを務めているJim Lecinski氏(@JimLecinski)
- モバイルディスプレイ広告リーダーのBrian McDevitt氏(Linkdeinプロフィール)
この記事を題材にしながら、表題の件について記事にしていきたいと思います。
想像以上に消費者がネット上の情報をもとに
行動を起こすようになっている
Jim氏の発言からです。消費者が購買行動を起こす際には、ネット上の情報をチェックすることが当たり前になりつつある、とのことです。
前に記事にしたリサーチ結果がその根拠となっています。
▼Googleが調査した「スマートフォンユーザの利用調査」が興味深い
スマートフォンを使っている人にとって、スマートフォンは購買する際に必須のデバイスになっています。
- 79%のユーザが、比較や製品情報の取得をスマートフォンから行っている
- 74%が実際にスマートフォンから購買を行っている
- 70%のユーザが、実店舗の中で比較検討のためにスマートフォンを使っている
という状態です(詳しくは先ほどの記事をご覧ください)
「プレストア」でも「インストア」でもモバイルによって得るネット情報が購買の決め手になることが、かなり増えてきています。
モバイルでのネット上に
「存在しているかどうか」がクリティカル
従って
Because the mobile Internet has a direct impact on consumer purchase decisions, it is critically important for marketers to have a mobile presence when their target shoppers are in mobile errand planning and buying mode.
(モバイル端末でのインターネット活用が、消費者が何かを買う際の意思決定に大きなインパクトを与えているので、マーケティング担当者はターゲットとしている層が何か買い物をしようとしている際に、自分たちがモバイル上できちんと存在していることを示せているかどうかが、とても重要である。)
ということになります。
いったん、みなさんも自分のターゲットとしているユーザ層の行動を見直してみて、クリティカルな部分から手当をしていくのがよいのはでないでしょうか。
うちはB2Bだし、まだまだだよという方もいるかもしれませんが、今後は特に情報収集と提案資料の作成段階で、スマートフォンでの情報収集が大きな役割を果たしていくことになっていくと考えられます。
今のうちから初めて、運用ノウハウを溜めることをおすすめしたいです。
具体的にどのような使い方が想定できるか
続いて、Brian McDevitt氏のプレゼンテーション内容に移ります。
例として「近い将来、息子さんの誕生日を祝うための準備を、母親がすべてモバイルデバイスで行うようになったシナリオ」を紹介しています。
- 「モバイルWEBサイト」はプレゼントに良いなと思える製品を、簡単に勝つ素早く見つけることに役立った
- 「モバイル端末でのブランドアプリケーション」は、どんな料理を客に振る舞えば良いかというレシピを探すために役立った(ブランドアプリケーションの定義がちょっと私には分かっておりません。Cookpadみたいなものが今回想定されているのでしょうか。)
- 「小売店のアプリケーション」は母親に地元店が行っている今週のセール情報を教えてくれる
- 「サードパーティのアプリケーションやサイト」は母親に小売店をまたいだ、買うべき物リストを作れるようにしてくれるし、クーポンをくれることもある、それにオススメ商品を紹介してくれることもある。
- 「Googleマップや地域ターゲティングされた広告」は、地元の店への行き方を教えてくれる
- 「Googleモバイル検索や広告」は検索という行動に広告やアプリケーションなどの情報をひもづけてくれる
高性能モバイル端末の普及で、結局何が変わっていくのか
高性能モバイル端末、言い換えればスマートフォンの普及によって、では何が変わったかというと、やはりシチュエーションだと思うんですね。
インターネット上の情報にアクセスする方法が「インハウス」から「インハンド」になったことで、
- 「パソコンの前」というシチュエーションでしか今までは得られなかったものが
- 「家の中のあらゆる場所」「家の外」というシチュエーションでも得ることができるようになった
そして、そのシチュエーション上でのネット情報はとても便利なので、いままさに爆発的に増大してきている。
ということだと思います。
家の中であれば、いちいちパソコンをつけずとも、
- レンジがチン!となるまで待っている間でも
- お風呂のお湯が抜けるのを待っているときも
- なんとなくベランダで日光浴をしているときも
- トイレの中もがいているときも
でもさっと情報を調べることができます。
外であれば
- 電車の中で、あるいはホームで待っているときも
- 中吊り広告を何となく見ているときも
- たくさんの居酒屋の看板が目に入っているときも
- どれを買ったら良いか悩んでいる家電量販店の中でも
- 食後のコーヒーがでてくるのを待っているときも
さっと情報を調べることができます。
広告はどんどんと細分化され、生活に溶け込んでいく
ユビキタス社会という言葉を思い出しますが、情報へのアタッチポイントが一気に増大しているといえる現代です。
それはつまり、あらゆる場所の広告媒体やフックが、息を吹き返してくるのということでは無いでしょうか。
例えば今までは暇つぶしにさっと見て終わりにされていた、ファミレスの三角形のテーブル置き広告も、そこからインターネットに誘うことで、その数倍のメッセージを伝えることができるようになってきます。
ただただ印象に焼き付けて、その後買ってもらうことに主眼を置いた電車内の広告も、やり口を変えた方が良いかもしれません。気になったらすぐに検索してくれるわけですから。
これからの広告は、
「とにかくターゲット層を観察して、動画で再生できるくらい見つめて、その上で自然とそのターゲットの生活に溶け込むように配置していく」
という方向になっていくのではないでしょうか。
悩ましく、かつ楽しい時代だなぁと思う次第です。
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