子音に時間をかけると良い声になる
ボイストレーニングで横隔膜が使えるようになっても、実際に話しているときに「使えているかどうか分からない」「使えなくなってしまう」
という方、結構おられると思います。
せっかく横隔膜のトレーニングしているのですから、本当は使おうと思えば使えるはずなのに、きっかけがつかめていないだけです。
そのきっかけをつかむためのヒントをお伝えいたしましょう。
それは「子音を利用する」ということです。
例えば、[m]の子音。
口を閉じて発声しますので、空気を通すと反作用としてお腹に圧がかかりやすくなります。
お客さんに分からない範囲で時間の操作をして、[m]に時間をかけてあげるのです。
わかりやすい例として、サザンオールスターズの桑田佳祐さんは、子音を立たせて立体的に表現する歌い方が一つの個性でもあります。
子音を立たせるということは、子音に力を込めて強烈に言うのではなく、子音のさばきに時間をかけて操作しているのです。
立体的というのは、子音を言うときに口の中を広く取り良い息が通るということです。
普通の方は、桑田さんように全て行うことはありませんが、あのようなイメージで子音の反作用を利用すると横隔膜が効いてくるようになります。
話し始めの挨拶で「m-みなさん、k-こんにちは!」と子音の反作用を利用すると、冒頭からしっかり横隔膜が効いてくれます。一度スイッチが入れば、しばらくは大丈夫です。
長時間話し続けていたり、歌い続けていれば、ついつい横隔膜が上がってきてしまうものです。
横隔膜が上がってくると、声は充実しなくなり貧弱になっていきます。
「声が小さくなってきた。出ない。まずいな」
と思っても、人前でどうしてよいか分からなくなってしまいますね。
そういうときでも、子音の反作用を利用して発声をすると、その場でスイッチを入れたように、また良い声が戻ってきてくれます。
ぜひお試しください。