かっこよくなくていい でもせめてかっこ悪くはありたくない
「あらら〜、社長しっかりしてよね」
記者会見や新商品発表会の会場で、社長さんのプレゼンを見ている社員さんたちの表情から、こんな言葉が聞こえてくるときがあります。社長をまともに見られずにうつむいてしまう社員さんもいます。
内容が不明確になってしまい、困った表情で「あ〜」「え〜」とごまかしながら話している様は、「会社の顔」としてちょっと恥ずかしいな、と思ってしまうこともあるかと想像します。
私も、自分のボスや師匠が人前で素敵に堂々としてくだされば、誇らしい気持ちになるものです。
ある社長さんんとお話ししていて気がついたことがあります。
「やっぱり、自分の会社の社長が他の会社の社長さんと比べてかっこいいのは、社員にとって嬉しいものだと思うよ。話し方や声ももちろんだけど、着る服も清潔感のあるものにするとか。みんなもう少し気を遣うといいのになあ。」
「仕事が忙しくてそんなことかまってられないのよ」と言う方もいらっしゃるかもしれませんね。
例えば、ドイツのメルケル首相。
あるとき、スタイルも良くファッションセンス抜群の、フランスのIMF専務理事・クリスティーヌ・ラガルドと並んだとき。大きく差がついていました。
ほんのちょっとしたことで素敵になるのにと、いつも思っています。
もし、センスに自信がなければ、その気になればアドバイスをもらえる人はいくらでもいるのではないでしょうか。首相としての手腕はお見事。難しい交渉でも引かない胆力が同じ女性として素晴らしいと思います。だからこそ、何となくもったいないなあ、と思ってしまうのです。
企業のトップの場合でも、自分は気にしないからそれでいいというわけではないのです。
最先端のファッションをしてほしいわけではありません。
「かっこよくなくてもいい。でも、せめてかっこ悪いのだけは勘弁してほしい」
社内でも、そう思って見守ってくれているたくさんの人がいることに気がついてほしいと思います。
周囲の人たち、自分を支えてくださる人たちへの感謝の気持ちや配慮が、その方の見た目や表情、言葉ににじみ出てくる物だと思っています。