「まあいいや」で済んでしまうものが怖い
結婚式にうかがうと受付でしなくてはならないのが「記帳」です。
この記帳、字を書くのが苦手だとなかなか書きにくいものです。受付の方がじっと見守る中、筆を運ぶのはプレッシャーがかかります。子供の頃習字をやっていたので、とりあえず筆運びなどは習っておりましたが、今では腕がおちて習字の師匠が見たら怒られるでしょう。
いつも「どうしよう。困ったなあ」と思いながら、でも「えいや!」とそれらしく書いてしまいます。ふと、その字を眺めると「だめだなあ」「練習しなきゃなあ」と思うのですが、その後すぐに「まあ、いいや」と思ってしまうのが「字」なのです。
美しい文字をサラサラと横で書かれると、「ほう、素晴らしいなあ」と思わずみとれてしまうのですが、それでも練習しないのは、「まあいいや」と思ってしまうからでしょう。
以前、自分の使っている化粧品のセミナーに行ったとき、女優さんの講演がありました。
その方は、美人という前に、とにかく肌がきれい。42歳とおっしゃっていましたが、どう見ても20代です。その肌は日々の丹念な手入れ以外の何ものでもありません。
質疑応答で「美しくあるための秘訣は?」と聞かれ、「『まあいいや』と思ったらおしまいです。」とおっしゃっていました。
同じように、スピーチの上手でない人は、いつまでたっても改善されません。
話し終わって恥をかいても、「まあ、いいや」と思ってしまうのでしょう。
字や肌なら、自分だけが「まあいいや」と思ってすみますが、仕事のプレゼンが上手くいかないのは、ビジネスに影響します。
スピーチの「まあいいや」を防ぐのは、自分自身で録画や録音を録り、冷静に現実を認識することから始まります。そして人の意見を素直に受け入れることです。これは、家族でも、会社の仲間でも良いのです。「どうだった」と聞いたとき「そうは言っても、それほどじゃあないだろう」と思わないこと。まずは、素直に聞き入れてください。そこから上手なスピーチになる一歩が始まります。