戦略をストーリーで考えるといい理由
最近、「ストーリーで戦略を考えよう」ということがよく言われるようになりました。
私も全く同感です。
物語で考えると、何がいいのでしょうか?
逆説的ですが、これは物語がない戦略を考えると、答えが分かるかもしれません。
物語がない戦略は、聞いていてもあまり面白くありません。心が動かされることもないし、想いも伝わらない。
逆に物語で語られる戦略は、まず聞いていて面白い。想いも伝わるので心が動かされる。さらに順番にポイントを押さえてストーリーが語られることで、戦略上の漏れがなくなることも多いように思います。
例えば、「桃太郎」の物語として、次の二つのうち、ロジックに整合性があり、説得力があるのは、どちらでしょうか?
その1
桃太郎が仲間とともに鬼ヶ島に行って、鬼をコテンパンにやっつけた。(詳細は、添付の投資収益計算書を参照のこと)
その2
おじいさんとおばあさんが川で洗濯していたら大きな桃が流れてきて、中からなんと「桃太郎」が生まれた。
桃太郎はおじいさんとおばあさんに大切に育てられ、やがて逞しい若者に育っていった。
一方で、村は鬼に荒らされて困っていた。
そこで桃太郎は、鬼をやっつけるために鬼ヶ島に行くことになった。
桃太郎は途中で出会った、猿・犬・雉に、おばあさんからもらったきび団子を与えたところ、彼らも力強い仲間として加わった。
皆で力を合わせて、鬼ヶ島で鬼をやっつけた。
その1の場合、結果は書かれていますが、それをどのように実現するのかが書かれていません。投資収益計算書が添付されていても、それが本当に実現できるかどうかも不明です。
しかしこのような企画書、多いですよね。
その2の場合、桃太郎がどのように生まれて育ち、なぜ鬼ヶ島に行く必要があり、桃太郎がいかに仲間を増やし、鬼をやっつけたかがストーリーで語られています。こちらの方が説得力がありますし、実行する上での戦略上の漏れも少なそうです。
私たちも、出来るだけ物語で考えるようにしてみたいものです。