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カリスマを継ぐということ

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CNETに「ジョブズ氏からクック氏へ、CEO交代から1年--アップルで何が変わったか?」という記事が掲載されています。

稀代のカリスマ経営者であるスティーブ・ジョブスの後を継いだクックですが、記事にも「Cook氏はAppleを引き継ぎ、自分の流儀で鍛え直したのだ」とあるように、ジョブスと同じ経営スタイルは目指さないという点を徹底しているようです。

 

日本でも、ユニチャームの社長として、父であり創業者のカリスマ経営者・高原慶一朗さんの後を引き継いだ高原豪久さんは、着任当時、創業者の事業を大胆に見直し、事業を再構築しました。

高原豪久さんは2010年の日経フォーラム・世界経営者会議で次のように語っています。

---(以下、引用)---

創業者は突然変異の生き物であり、同じ土俵では勝負できない。私が取り組んだのが創業者一人が会社をけん引するカリスマ経営から、トップと従業員がベクトルを集中させて事に当たる「共振の経営」への転換だ。

---(以上、引用)---

 

ユニチャームはその後、事業を大胆に見直して「不織布の技術をベースに日用品分野で世界一の企業を目指す」という目標を掲げ、創業事業の建材事業を売却したり、芳香剤や幼児教育事業から撤退しました。その後のユニチャームの成長は皆様よくご存じの通りです。

 

カリスマというのは個性そのものであり、後継者には全く異なる資質が求められる、ということなのかもしれません。

 

 

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