インフラの「論理」×ゲームの「感情」。顧客を熱狂させるUI/UXは、なぜ「守り」から始まるのか?
「せっかく多額の予算を投じて制作したWebサイトやシステム。なのになぜ、思うようにユーザーが動いてくれないのか......」
そんな「システムの目詰まり」に頭を悩ませている経営者やIT担当者の方は多いはずです。実はその解決策は、最新のトレンドを追うことではなく、もっと泥臭い「インフラの論理」と、人の心を動かす「ゲームの熱量」の融合にあります。
今回は、私の異色なキャリアを通じて辿り着いた、「離脱という名の停電を防ぎ、ユーザーを熱狂させるUI/UXの正体」についてお話ししたいと思います。
1. 検索窓に映らない「6600Vの論理」
私のキャリアの原点は、大手電機メーカーでの「配電線制御システム」の開発でした。 扱うのは6600Vという高電圧。故障が発生すれば瞬時に範囲を特定し、停電を最小限に食い止める。一歩間違えれば都市機能が麻痺する、まさに「絶対にミスが許されない」世界です。
ここでは、見た目のデザインなど二の次。求められるのは、1ミリの隙もない「堅牢なロジック」と、徹底した「リスク管理」だけでした。
Googleで検索しても当時の私の実績は出てきません。しかし、この目に見えない「漆黒のインフラ」で叩き込まれた設計思想こそが、今の私の仕事の最強のバックボーンになっています。
2. 「ムカデの激痛」が教えてくれた、本質への憑依
その後、私はゲーム開発という真逆の世界へ飛び込みました。 深夜に椅子を並べて仮眠中にムカデに刺され、救急外来へ運ばれるような過酷な現場。そこで当時の社長から耳にタコができるほど言われたのが、「物事の本質を見ろ」という言葉でした。
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ゴルフゲームを作るなら、ゴルフ場の設計を本質から理解する。
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カードゲームを移植するなら、その面白さの核心に触れるまでやり込む。
この「対象に深く潜り込み、本質を掴み取る力」こそが、今のUI/UX設計における「ユーザーへの憑依」に繋がっています。
3. 「脳トレ」の教訓:土俵とスピードの戦略
さらに、高齢者向けIT支援事業として「脳トレソフト」を企画。教授を口説き落とし、実証実験まで進めましたが、その直後に任天堂さんが「脳トレ」を発売し、あの脳トレブームを作りました。
ここで学んだのは、「同じことを考えているライバルは必ずいる」という冷徹な事実と、「勝負する土俵の見極め」の重要性でした。この時の悔しさと学びが、現在の「ブランド・マネージャー」や「ウェブ解析士」としての戦略的な支援スタイルを形作っています。
UI/UXの正体は「論理」と「感情」の融合である
これら一見バラバラな経験が、今の私の中で一つの「システム」として繋がりました。
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論理(インフラの思想): ミスをさせない、最短で目的を達成させる「守り」の設計。
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感情(ゲームの思想): ストレスを削ぎ落とし、自発的に動きたくなる「攻め」の演出。
現在、私は「顧客行動デザイナー」として、この二つを高い次元で融合させたサイト制作を行っています。
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企業の「こう思われたい」を、論理的なブランディングでカタチにする。
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ユーザーの「こう思う」を、行動心理学に基づいたUI/UXで誘導する。
「自社のサイト、もしかしてユーザーにとって攻略不可能な『無理ゲー』になっていないか?」
そう感じたことのある方は、ぜひ一度チェックしてみてください。送電線の制御からムカデの夜を経て辿り着いた「本質」の力で、あなたの会社の想いを、確かな成果へと変えていきます。
今後とも、このオルタナティブ・ブログを通じて、ITとビジネスの本質を深掘りしていければと思います。よろしくお願いいたします。