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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

安保法制の功罪

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また、海外に出かけるので、今週は簡潔に。

自衛官の安保関連法に基づく防衛出動命令に関する違憲訴訟で、出動命令に従わない場合の処分可能性に関する訴えの利益が東京高裁で肯定された。もちろん違憲判断が下ったのではないし、恐らくこの訴訟が係属して、最終的に最高裁まで行ったとしても、これまでの最高裁の判断を念頭に勝手な推測をすれば、「高度な政治判断」とかいう言葉で違憲判断を避けるのがせきのやまだろう。

問題は、要は我が国の政治だけではなく、社会も経済も、現行憲法に基づいて形成されてきており、これに基づいた個々の契約関係も成立しているということであって、自衛官は通常の市民ではなく、企業との雇用関係とは異なる契約形態の下で業務に従事しているとは言っても、大きな枠組である憲法の理念が前提になっているということだ。だから集団的自衛権で突如命令に従って、従来の枠組みの下で想定できないところへの出動を命じられた場合は、これを拒否出来るはずだということだし、これを強制することは、国家の権利を制限するという性格を持つ立憲主義に基づいた憲法に明らかに違反しているという点を再度認識したい。

このことは、様々な方々が指摘しているわけだが、現政権の最も困ったところは、このように本来制限されているはずの国家を、オールマイティのように引き上げる所業を次から次へと進めていることだ。集団的自衛権に限らず、武器輸出にしてもそうだし、一方で加計・森友もある意味で同根ではないか?このような、社会を支える大前提を否定する精神が、昨今頻発している経済界の検査に関する事件などにもつながっているような気がする。つまり現政権の知性のかけらもない行動が、徐々に社会に蔓延しているように感じるのだ。残念ながら、政治や行政が機能しなくても、財界だけは原理原則を守るという気概は完璧に失われたと言わざるを得ない。

更に言えば、大学入試でまたまた出てきた入試のミス。これもまた同根ではないか?ミスが発生すること自体如何かと思うが、それ以上に若者の人生をどう考えているのか、経済的な一部負担とか、既に他大学・学部に入学されている方の転籍を認めるという消極的な対応だけで済まされるものではないと考える。

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