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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

ますます見えない先行き

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国連総会の機会を使って、総理はクリントン候補に会ったようだ。TPPについては、意見は対立したように報道されているが、いずれにしてもこの件について総理自らが日本の立場を明確に主張したのは意味あるものだと思われる

大統領選は、クリントン候補の健康問題もあって、方向性が見えなくなりつつある。日本の産業界の方にお会いすると、概ねクリントンなら安心という感じだし、確かに彼女が大統領になれば、政策的な大きな転換はないだろう。だが、共和党の大物が彼女を支援したり、逆に民主党の支援者がトランプ氏を支援したり、かなり混とんとしている。

これは、もちろん巷間言われているように、世界の主要国が経済的な状況もあって内向きになってきている中で、その動向をうまく先取りした、しかも極めて分かりやすいトランプ氏の発言によって、米国民が動いているということもあると思われる。

しかし、トランプ氏は、確かに言動は過激だが、昨今は多少慎重な物言いになりつつあり、現実に仮に勝利した場合、日本ほどではないにしてもそれなりに政府にはバランスの取れた仕組みが存在するわけで、発言してきたことをそのまま実行するとは言えない。また、TPPについては、確かに我が国の考え方は米国を巻き込んだTPPの実現で、最終的には中国包囲網を作るということであり、米国もこれまではその方向性で進んできたわけだが、したたかな中国を相手にした場合、この手法が通用するのかという疑問を呈しているのがトランプ氏だという言い方もできる。

つまり多国間協定が機能するのか、それとも個別のFTAが良いのか、より戦略・戦術的に考える必要もあるのかもしれないのだ。このような観点でも、クリントン氏がこれまでの米国のエスタブリッシュメントの代表であって、その運営に閉塞感がある中、何か新たな視点が見いだせないか、という状況が強く存在し続けている。

我が国の政権も長期化してきており、ある意味アベノミクスなどマンネリ、更に言えば私自身は立憲政治に対する無理解など、賛同できない部分はあるが、一方で長期政権であり、且つ従来とは多少異なる方向性をもって国際社会に積極的に発言を続けている総理が、徐々に国際社会においてプレゼンスを高めていることは注視すべきであり、これに対して変革の流れが根強く残る米国において、必ずしもこれまでの延長線上で進まない可能性は念頭に置くべきで、その意味でもトランプ氏の提示するこれまでのレジームに対するアンチテーゼの理解を深めることは重要かもしれない。

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