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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

広い視野で全体を見よう!

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先週は、安保法制についてフェイスブックで私見を載せたら、いくつかの反論、指導を頂戴した。それぞれ意味ある議論だし、そもそも思想の自由はあるのだが、意見をくださった方々が、かなり知的レベルも高く、世の中に対する影響度も私などとは比較にならないくらい大きい方々なので、改めて様々な考え方があると認識した次第だ。

主な議論は、昨今の我が国を取り巻く政治的、軍事的環境の変化や、米国を中心とした国際政治環境の変化への対応の必要性、そして憲法判断は最高裁で本件は政治判断なので結論が出ないであろうこと、憲法判断は付随的審査権であること、法案審議の手続きは守られていること、など実質面と手続き面での指摘だった。

それぞれの指摘はもちろん個別には正しいものだと思う。そして、本件のような事件が想定されていないという意味で、憲法に欠缺があるとも言えるかもしれない。だが私の指摘したいのは、ほぼ全ての憲法学者が違憲だと主張するような法案(因みに、憲法学者がどう主張するかよりも、そもそも事実として本法案は違憲というのが私の見解だ)を、憲法遵守義務を持つ内閣が、数の論理だけで国会を通過させようとするのは、明らかに立憲主義を否定するものだということだ。

なお、だったら、一旦通っても、また新たな政権で改正すればよいではないか、という指摘があったが、残念ながらこの法案の意図を考えれば、現政権は即座に法案を適用した行動を起こす可能性が高く、実際に仮に米軍に追随して行動した途端、もはや後戻りは出来ないと考えられる。つまり平和国家日本の存在が大きく変わることになるからだ。

そして、それが国連憲章上認められている集団的自衛権の行使であるということは、事の本質には何の関係もない絶対に手を出さない「平和な国日本」はなくなり、その「平和な日本」を取り戻すことは永遠に出来なくなることは認識すべきだ。そして、米国の同盟国として、明白に米国との敵対国家からの攻撃の対象となりうる資格を手に入れることになる。

意見を下さった方々は、相応に全体を見て議論されておられるのだと思うし、逆に憲法の条文に拘泥して、実質的な国際政治情勢を踏まえた安全保障や、憲法を踏まえた我が国全体の統治構造の適切な運営という観点を忘れてはいけないよ、という趣旨だと思うが、私は国民の意思を体現した憲法の根幹たる事項に関しては、内閣の専権で結論を出してはいけないので、きちんと改憲手続きを取るべきだし、それをしている時間は十分にあると考える

この点、確かに改憲は簡単ではないが、何故ここまで現政権が焦るのか、理解できない。歴史の教科書に残るような実績を残したいのであれば、まだ3年半あるのだから、是非社会保障、医療制度の抜本的な改革(つまり本当の意味で実現可能であって、ある意味大きな痛みを伴うかもしれないような改革)を、既得権益からの批判を浴びつつ実現するようなことを目指していただきたい。

そのように、全体を俯瞰する能力がますます劣化している我が国の政治、行政、産業を見るにつけ、我が国の先行きが不安だ。国立競技場だって、2年も放置しなくても今指摘されている課題はわかったはずだし、某総合電機企業も、収益率を上げることが重要なのはもちろんだが、市場環境などを踏まえて考えればどうすべきかは、また異なる議論がありえたのではないか?

地球外生命体はどこにいるか調査するプロジェクト、地球のいとこを発見、などとちょっと夢のある報道も出てきている。我が国も、もっと原点に立ち返って、広い視野で未来を見つめ、世界平和にどうやって貢献するか、五輪の精神に立ち返って東京開催の目的を改めて設定する、企業が社会に何をもって貢献するか、というところから考え直せないだろうか?

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