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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

社会制度自体が機能していないのでは?

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年の瀬に、あまり暗い話はしたくないのだが、どうもわが国、そして実は世界中で、今我々が生きている社会の制度が機能しなくなってきているのではと感じる。

例えば、先日の選挙ですら、そもそも民意を反映した国会になったとは思えないが、現実には改革のできない自民党が圧倒的な過半数を占めている。逆に言えば、まともな野党を作る力が国民にない

立憲政治の根源たる憲法解釈を、憲法の付託に基づいているはずの内閣が変更する。20年、30年前から、こうなることは予測がついたはずの少子高齢化の進展にもかかわらず、年金制度も健康保険制度も、抜本的な改革をされることなく、「何とかなりますよ」という言葉で継続している

製造業などGDPの25%以下に過ぎないのに、輸出振興策だけが経済政策であるかのごとき政治が続き、結果として円安、国力の低下につながっている。一方で、年金の積立不足を加えればGDPの4倍にもなる国家の負債にも関わらず、財政に関する抜本策は一度も取られたことがない。

既に、欧米型の金融資本主義は機能しないことが明確なのに、10年、20年遅れで、この論理に基づいた会社法の制定が行われ、更に欧米流の様々な基準の導入が進んでいる。このような会社法の制定、そして国民のコメントを十分に取らないで行われようとしている債権法改正、これらの流れを作ったのは、裁判官や検察官が中心の法務省だ。

何だか、政治も、法律を作る仕組みも、更には財政や金融をつかさどる仕組みも、すべてが機能していないと感じるのは私だけなのだろうか?そして、もっとも怖いのは、何故かこのような無機能の社会システムが、結果として何となく調和して、あまり反論なく受け入れられていることだ。

韓国で、ソウル市の中学、高校に、親日派の名簿を配るということが行われるらしい。何だか戦前の治安警察法などを彷彿とさせるし、とても近代国家のやることとも思えない思想弾圧につながる暴挙のように感じるが、このようなことでもあれば国民も何らか反応するかもしれないとも思える。

だが、今のわが国は、このような刺激すらなく、何とな心地よくく流れに流されながら、気が付いたら暗闇の底ということになりそうな予感だ。小保方氏をタレントに器用という話が出ていること自体、明らかにおかしくないか?同じような事件があった韓国では、この話題を取り上げた映画が上映されているというのに、あまりに能天気だと思う。

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