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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

もっと分かりやすい主張を!

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都知事選が始まったが、どうもあまり盛り上がっていない。というか、各候補の主張がはっきり見えない。どれも出来るだけ揚げ足を取られないようにと曖昧な表現で、その結果対立軸も不明確、といった印象だ。

福祉とか、環境、安全などは、表現の違いこそあれ大差なく、所詮誰がやっても同じとしか言えない。厚生労働大臣としての経験を披歴してもあまり意味があるとは思えない。

原発は、もちろん即時ゼロは明確な主張だが、舛添氏も決してもろ手を挙げての推進論ではない。逆に今ゼロと言っても、では核燃料はどうするのか、廃炉はどうするのかという問題は起こる。それよりも、国の政策というレベルではなく東京が原発に関心を示さざるを得ないのは、一つは電力需要と街づくりの関係からであり、もう一つはそもそも福島の影響が本当にないのか、という問題だ。

その意味では、高速道路の修復に3兆円かける前に、まずは現状の確認に費用をかけて行うべきだという議論があっても良いはずなのだが。私はこれをずっと被災後から主張し続けているが、マスコミも行政も誰もこの単純な疑問に答えないところに、今の情報に関する闇があるような気がしている

もう一つはオリンピック。細川氏の主張も何となく聞こえは良いが、今一具体性がない。ただ、舛添氏の世界最高のという言葉には、相変わらず成長至上主義と豪華主義のこれまでの流れの延長線上という印象を避けられない。沈みかけたわが国が、今一度1964年の成長期のような効果をオリンピックに期待するとすれば、世界中の笑いものだ

是非、これまでの先進国と全く違うオリンピック、そしてクーベルタン男爵の精神を再度思い出させるような、そんなオリンピックにするように、尽力して欲しいし、そのような主張を待っている。

先々週のエコノミストでは、タイやバングラデシュで選挙のボイコットのようなことが起きて、議会制民主主義が難しい情勢になっているという特集があったが、もちろんそれぞれの国の特性があるので一概には論じられないとしても、ひょっとするとこれらの国の方が民主主義は明確なのではないかとも感じる。わが国では、全く有権者の意向が反映されない政治が長期に継続しても、皆暴動は起こさないし、選挙は成立するのだから。

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