今年の抱負ー具体的に何が出来るか?
アルジェリアの人質事件では、未だに何が起こっているのか情報が錯綜しているが、巻き込まれた方々が無事に帰還されることを心から祈っている。その地の発展のために身を粉にして働いている現地の民間人や海外からの協力者を盾にするこのような行為は絶対に許せないと感じる。
一方で元首相が尖閣問題で不適切発言を行い、物議をかもしている。中国では評価されているようだし、一つの選択肢として同じ土俵に立って協議を始めるという考え方も分からないではないが、やはり一国の首相経験者として、対外的に発言するというのは、不適切だと言わざるを得ない。まずは国内できちんと議論をすべきではないか?その祖父もまた北方領土の二島を事実上委譲するかのような共同宣言にサインした張本人だ。
さて、今年の抱負だが、これといってない。ただ、私もそれなりにわが国のため、或いは途上国のために発言をし、また会議体を設営するなどしてきたつもりではあるが、やはりあくまでそのレベルであって、本当に困っている地域や人のために、自らの手で具体的に貢献してきたかと言えば疑問がある。その意味で、今年と言うよりは、これからの抱負になるが、是非少しでも誰かの役に立てるような具体的なことに直接関わって行くようにしたいと思っている。まだ、具体的な対象があるわけではないが。
ところで、この間「レ・ミゼラブル」を見てきた。何故か、子供のころから「ああ無情」、「レ・ミゼラブル」には興味があり、何度も異なるバージョンの本を読んだ記憶がある。NYにいた時代も、ロンドンからブロードウェイにミュージカルが来たとき、最初の回のチケットを買って見に行った。
最近あまりミュージカル仕立ての映画で誰もが感動したウェストサイドストーリーや、サウンドオブミュージックのようなものがない状態が続いたが、久しぶりに、しかも極めて斬新な手法の作品として出てきたという印象だ。演じている俳優たちも素晴らしいと感じた。
それと同時に、何度見てもこのストーリーが描く人の罪、愛、民衆の力などには感動すると改めて感じた。考えてみると、このような古典作品には、極めて長編で、しかも人間の根源に迫った作品が多い。何度も映画化された泉のマノンなどはそれこそ原罪を正面から扱ったものだ。
このあたりに欧州の歴史と、宗教とも深く関わりながら発展してきた哲学の源を感じざるを得ない。わが国にも素晴らしい古典作品はあるが、このような深みがあるかというと若干違うような気もする。何も欧米かぶれになる必要はないが、学ぶべき点も多いのではと改めて感じた。