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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

どういう社会を目指しているのか?

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ここ1-2日涼しい日が続いており、とてもありがたい。このところ数日ちょっとした勉強に集中しており、時間がないので、今週も簡潔に!

九州電力の社長が辞意を表明した。きっかけになったやらせメールについては、確かに不適切なのは間違いない。だが、仮にも民間企業の社長の進退について、政治家たちは自らポストにしがみつきながら云々するのはどうかしていると思う。また、何が起きても無責任に面白おかしく報道することしか考えていないマスコミの本件への対応も如何かと感じる。

私企業ももちろん公益性のある部分はあるし、収益だけでなくその社会的行動の適切性を問われている。やらせメールがふさわしい行動であるはずがない。だが、最終的にこれを判断するのは株主総会であって、内閣でも、政治家でも、知性のないマスコミでもない。この当たり前の原則が守られないのであれば、わが国は資本主義ではなく社会主義国家にでもすれば良いのではないか?

なお、ある知人が言っていたことが示唆に富む。「あのようなアンケートをすれば、基本的に賛成派は消極的な賛成派なのでまず意見を提示することはない。従って、意見は大部分がプロ市民派の反対意見になる。」確かにその通りだ。情報通信手段の発達で、幅広く意見が取れるようになったのは事実だが、現実には声の大きな一部の偏った声だけが集約されることになる。これをどう考えるか、そろそろ真剣に検討すべきだろう。

これとは別の親しい友の次のような主張を聞き、答えに窮した。「最近出てきている情報では、メルトダウンは相当初期からある程度想定されていたようだ。それにも関わらず、国民をだましてきたことについて、今誰も政府を糾弾しないのは何故なのだ?」

このところいつも私が指摘していることだが、結局内閣も、行政も、政治家も、マスコミも、大企業も、すべて今までの仕組みで豊かな暮らしをしてきた人たちで、その利益共同体から本気で離れることはしない、ということなのだろう。

小泉政権の競争主導主義が格差社会を生んだと言われる。確かに、ひと頃よりは格差も拡大しているようだ。この間知人と会うので東京ミッドタウンに行ったが、あまりに一帯の雰囲気が自分の世界と異質なのに違和感を感じた。でもあんなところで毎日買い物をしている人たちもいるのだ。

ただ、問題はそのような社会層が出来たことではなく、そのような社会層が固定することではないのか?その固定化がその後の政権運営の中で益々強まっているような気がする。競争はあっても良いのだ。新陳代謝が行われるのであれば。でも、大部分の人たちは、自分は弱者などと言って戦わずに国からカネをむしり取ろうとする。そんな国民に未来はない

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