携帯電話メーカーとバイオメトリックス
今朝、遅い朝食を薄ぼんやりとしながらとりつつ、BBCニュースを見ていたら、女性レポーターが、「いま、ここロンドンでは、バイオ・メトリックスの展示会が開かれています」と紹介。面白そうなので、ちょっと覗いてきました。
バイオメトリックスの分野は、あまり詳しくないのですが、ざっと見たところでは、人の顔をカメラで撮影し個人を特定、指紋のスキャンによる個人特定、目の光彩(IRIS)のスキャンによる個人特定の3つが主要な技術のようでした。
いまイギリスの空港では、目の光彩のデータを事前に登録しておくと、入国審査の時にパスポートやIDカードを提示するかわりに、目のスキャンだけで入国できるようになっています。ただし、これは英国在住者に限られたものだったと思いますが・・・。現在のイギリスでは、テロ対策としてのセキュリティに非常に関心が高く、展示も、一般向けよりも、空港や公共施設、商業施設向けのシステムが多かったように感じられました。
その中でも目についたのが米モトローラのブースで、パスポート・コントロールのシステムを展示していました。パスポートに内蔵されたICチップに、指紋と顔の画像データが記録されていて、それを機械で読み取り、顔と指紋を、その場でチェックするというもの。モトローラの方に、「モトローラが、バイオメトリックスなんてやってたんですね」と訪ねると、「まぁ、そのうち携帯電話にも採用されるかも・・・」という返事でした。
もう一つ気になったのは、Sagem Defence Securiteという会社です。これは、携帯電話メーカーのSagemのグループ会社で、軍事関係のセキュリティに関する製品を開発しているそうです。
パイオメトリックスとなると、まず軍事関連や、空港、公共施設などで採用が進み、そのうち一般向けの製品でも採用される、という段階を踏むと思われます。ですから、各社の技術的なレベルの違いよりも、軍事関連や公共施設などに、ITのインフラやシステムを販売している会社の方が、ビジネス的には有利な位置にいるのではないかと思いますね。