IPTVとインターネットTVの違い
「IPテレビの規格統一 放送・通信など15社合意」なんて記事が朝日新聞に出てましたが、「まだ規格統一できてなかったの?」というのが感想です。
ところで、IPTVとインターネットTVの違いをご存じでしょうか?
どちらもTCP/IPを使って動画コンテンツを配信するというのは同じですが、事業者側がSTB(セットトップボックス)まで管理してクローズドなネットワーク環境で行うのがIPTVで、オープンなインターネット上でパソコンあるいは携帯電話相手に行うのがインターネットTVです。IPTVの例としてはアクトビラ等、インターネットTVの例としてはGyao等があります。
ややこしいですが、IP電話(ひかり電話等)とインターネット電話(Skype等)の違いと同じと考えると覚えやすいです。
あと、市場分析をする場合等に、IPTVとインターネットTVを総称した言葉がないのがちょっと不便です(強いて言うと「ネットテレビ」とでも呼ぶのでしょうか?)。
個人的には、IPTVの方はあまり興味がわかないですが、市場として見ればCATVの代替としてそれなりの意義はあると思います。田舎の実家とかに帰って、年老いた両親のために町の電気屋さんがテレビとかケーブルとかを設定してくれているという世界を見てしまうと、さすがにこういう世界が短期的にパソコン+オープンインターネットの世界に切り替わるとは思えません。
ところで、IPTVは、VODを使わない限り、CATVとまったく同じに見えるわけですが、著作権法上はIPTV=通信、CATV=有線放送なので扱いが異なっており、ややこしいことになっています。特に、見逃し番組の再放送サービスなんかをIPTV上でやろうとすると権利関係がややこしいことになってしまいます。
TV局側も最初は電波利権を守るために無理矢理IPTVを放送ではないという法律を作ってしまったが、実は有線放送の一部としておいた方が結果的に得だったかもと後悔しているのではないでしょうか?
追記: そもそも、このエントリーを書くきっかけとなってポイントを書くのを忘れてました。どこかのニュースサイトで「IPTVサイトのJoost」みたいな記載を見たからです。JoostはインターネットTVであって、IPTVではありません。このように、ネットで動画配信すれば全部IPTVと呼んでしまう人もいるようなので、それは不正確では(少なくとも元々の定義からはずれているのでは)という注意喚起のために書いてみたわけです。