オルタナティブ・ブログ > 栗原潔のテクノロジー時評Ver2 >

知財、ユビキタス、企業コンピューティング関連ニュースに言いたい放題

Perfumeも鳥居みゆきもニコニコ動画で知りました

»

Perfumeの新譜のB面すばらしいですね。買いました。鳥居みゆき、おもしろいです。ルックスと芸風のギャップが何とも言えません(オッサンとしては戸川純を思い出してしまいます)。こんどテレビに出る時は絶対チェックしようと思いました(ゴールデンだと厳しい?)。ライブあれば行くかもしれません。

私がこういうアーティストたちを知ったのはニコニコ動画のおかげです。普通にテレビや雑誌を観ていただけでは絶対に知る機会がなかったでしょう。やはり、動画というオブジェクトに対して、ブログのエントリーと同じように、一意で永続的なリンクを張れるのは強力です。これによってファインダビリティが大きく向上します。掲示板の書き込みから直接動画コンテンツに飛んだり、サーチエンジンで直接動画コンテンツを探したりできます。

もちろん、著作権者の許諾なしに著作物をアップロードするのは違法ですかと聞かれれば、「はい違法です」としか答えようがありません。権利者の損失にはなってない(逆に、利益になっている)という主張は少なくとも日本の法律では違法性を否定する理由にはなりません(米国のフェアユースの考え方であれば抗弁事由のひとつになりますが)。

ということで、弁理士モードでは「はい、(アップロードは)違法です」としか答えようがないですが、一方、一般消費者モードで考えると何かひっかかるものがあるのは事実です。

では、仮に、TV局やレコード会社等の権利者が(または、権利者から正式に許諾を得た業者が)ニコニコ的なサービスを無料あるいは低料金で提供していたとしましょう。つまり、合法的動画投稿サイトが既に存在する状況です。この場合に、もし、権利者の許諾なしに動画をアップさせて配信しているサイトについて違法ですかという同じ質問をされたらどうでしょうか?

この場合には、弁理士モードでも一般消費者モードでも「はい、許諾なきアップロードは違法です。視聴のみは違法ではないですが道義的にはやめるべきです。合法的サイトを使ってクリエイターに利益を還元しましょう。」と何のひっかかりもなく言えるでしょう。要するに、合法的な代替案が存在するのであれば、合法的でないものはやめましょうと抵抗なく言えるわけです。

今回は法律論のお話ではありません、あくまでも心情的なお話です。

Comment(3)