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「初音ミク」について

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週明けに書こうと思ってネタを取っておいたら、吉川さんに先を越されてしまいました。バーチャル・シンガーの「初音ミク」であります。音程とと歌詞情報を打ち込むことで歌ってくれるソフトです。昔からこういのはあったと思いますが、かなり自然な出来でびっくりします。ちょっと機械臭が残ってますが、逆にそれがチャームポイントとも言えます。8月31日発売とそんなに時間がたってないにもかかわらず、ニコニコ動画には作品が大量にアップされており、市場に(ニッチ市場ではありますが)かなり受け入れられていることがわかります。

アマチュアの音楽制作者にとっては、こういうソフトは願ったりかなったりでしょう。せっかく良い作品を作れてもインストでは魅力が限られてしまうからです。ヒットチャート入りする曲のほぼすべてがボーカル曲であることからわかるように、広くリーチするには魅力的なボーカルが欠かせません。デモテープなんかをレコード会社に持って行ってもインストでは絶対聞いてもらえないという話を聞いたこともあります(仮の詞でもハミングでもよいから絶対歌を入れろと)。

Amazonでは入荷待ち状態になってますが、私も買ってみました。作品ができたらニコニコにアップするかもしれません(匿名で)。

これからも「後輩」のソフトがいろいろ出てくるようです。個人的にはYUKI(元ジュディマリ)みたいな張りのある声の「人」と、アストラッド・ジルベルトみたいなウィスパー・ボイスの「人」が希望です。

あんまりよく知らないですが、アイドルマスターなんていうソフトもあるようで、これからは、CPI(Consumer-Produced Idol)というものが来るのではとオッサンぽい予想をしてみたりします。いずれにせよ、CGMの世界においてはエポックメイキングなことではないでしょうか?

ところで、仮に初音ミクちゃんにオリジナル作品を歌わせてCD化した場合、初音ミクちゃんには実演家の権利たる著作隣接権は帰属するのでしょうか(笑)。まじめな話、ソフトの開発元であるクリプトンフューチャーメディア社や「声の素」を提供した声優さんの権利はどうなるのかというのはちょっと気になります。

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