lonelygirl15: バイラル・マーケティングのネタバレ時の問題について
また、池田信夫氏のブログが元ネタです。YouTubeで、ここ数ヶ月の間に、lonelygirl15というユーザーが定期的に発信している16歳の女の子のモノローグビデオが話題になっていたそうなのですが(私は全然知りませんでしたが)、結局、それは素人ビデオではなく、映画のプロモーションであることが明らかになったそうです(参照:NYTimesの記事(無料のユーザー登録が必要))。
記事によると、当初から、素人ビデオにしてはセリフ回しやカメラワークがプロっぽすぎるということで疑惑が持たれており、一部のネット・ユーザがWikiでまとめサイト等を作って情報収集していたところ(こういうところは日米共通ですね)、登場する女の子は俳優の卵、彼女のメールの送信元はタレント事務所、lonelygirl15は商標登録出願済みということで、何かの映画のプロモーションらしいということが判明したそうです。記事では、このマーケティングが成功するかどうかは未知数としていますが、YouTubeのコメント欄なんかを見る限りでは結構反発の声が大きいような印象があります。
この件に限らず、ネット・コミュニティを使ったバイラル・マーケティングがいろいろ模索されていますが、うまくいくこともあればいかないこともあります。有名な失敗事例としては、Raging Cow事件があります。某飲料メーカーが新発売のドリンクをほめてくれるように有名ブロガーをサクラに使っていたのが、後になってバレて、ネット上で不買運動が勃発。結局、その飲料は販売中止となりました。
このように企業のアイデンティティを完全に隠してバイラル・マーケティングを行うのは、バレた時のリスクが大きすぎるのではと思います。「ヤラセ」、「サクラ」を徹底的に嫌うのはネット・コミュニティの常なので、2ちゃんねる等で炎上するのは火を見るより明らかです ^_^;)
「xxxとドリンクを買ってみたけどおいしかったですよ」(実は、このブロガーはメーカから密かに金をもらって宣伝)というよりも、「xxxというドリンクをメーカーさんに送ってもらって飲んでますが、結構おいしいですよ」(ただし、このブロガーはちゃんとポリシーがあって見る目があるとネット・コミュニティで認められている人)の方が、広告宣伝効果は高いのではという気がします。要するに、企業がバックにいますよということを最初に正直に言っておいた方が良いのではないかと。
その流れで言うと、地下鉄の広告でよく見る「キモエ」って何なんでしょうか?ティーザー広告的にこのキャラクターを流行らそうとしてるんでしょうが、Webサイトに行ってもどこがバックについてるのかよくわかりません(敢えて、企業のアイデンティティを隠しているように見えます)。Googleで検索してもほとんどヒットしないので、少なくともネット上ではクチコミウイルスは全然蔓延してませんね。ひょっとするとネットやらない女子高生層の間では話題沸騰だったりするのかもしれませんが、私にはそれを調べるチャネルがありませんので、何とも言えません ^_^;)