Gmailの商標問題について
Gmailの商標権に関してドイツでもめているというお話しです(参照記事)。先願の類似登録商標があったので、Googleが権利者と買い取りを交渉したが不成立に終わり、今、法廷で抗争中という状況のようです。Gooleは、既に英国においては、同様の事情により、Gmaiの名称を使用せずGoogleMailという名称を使用することになっていますが、ドイツでも同じような状況になる可能性があります。しかも、今回は先願登録商標の権利者がスイス等の他の国でも商標登録をしたためにますますややこしい話になってしまっています。
Gmailといういかにもありがちな商標で国際展開していくのであれば、もっと慎重にことを運ぶべきであったわけで、これはGoogleの手落ちと言えるでしょう。言うまでもないですが、商標権取得で一番楽なのは今までになかった造語を使うことであって、いかにもありそうな名称を商標に使うのはリスクが高いです(その分、仮に商標権取得できてしまえばおいしいですが)。
日本では、GmailはGoogleの登録商標となっています(日立の先登録類似商標がありましたが、グーグルが日立から商標権を買ったことで解決)が、他にもゴルフダイジェスト・オンライン社が「広告」等を指定役務にしてGMAILという商標の商標権を所有してます。役務が非類似と判断された(かたや「通信」、かたや「広告」)ので、両方とも登録されているわけですが、Googleのビジネス・モデルを考えると広告とは無縁とは言えないわけであり、将来的に何か問題が起きる可能性がないとは言えません(関連エントリー)。
そういえば、gOffice.comというAjaxベースのオフィス・ツールを提供してる会社があります。ひょっとしてGoogleに買ってもらうのを前提でこの名前にしたのではと邪推してしまいましたが、今のところ米国も日本でも商標登録出願は出ていないようです。