オルタナティブ・ブログ > 栗原潔のテクノロジー時評Ver2 >

知財、ユビキタス、企業コンピューティング関連ニュースに言いたい放題

システムの警告メッセージについて

»

前代未聞の誤発注事件ですが、

端末からは市場価格との隔たりを示す警告が出たことに気付いたものの、担当者はそのまま作業を続けた。この警告については「よく出るので慣れの中で結果的に無視してしまった」という。

ということで、普段から正常な価格や株数の範囲を逸脱した取引をしていたの (-_-;)という話とは別に、ユーザーインターフェース上の重要課題にからむ話ではあると思います。要するに、しょっちゅう警告メッセージが出ると慣れてしまって無意識にOKを押してしまうということですね。そういうミスで重要なファイルを消してしまった人は多いと思いますが、今回はそれが最低でも270億円の損失につながってしまったと。

#似たような話で、電話でチケット予約なんかしてる時に、ダイヤル→「混みあっています」のメッセージ→電話切る→再ダイヤルのステップを何百回も繰り返していると体が慣れてしまって、せっかくつながったのに、反射的に電話切ってしまうことありませんか?あれは、結構痛いです。

話戻って、こういう慣れによって警告メッセージがバイパスされてしまうということの良い対応策はないものでしょうか?日経新聞によれば、正常範囲を超えた取り引きは、営業店の独断ではできず、本店の承認が必要なプロセスになっている証券会社が多いようなので、ユーザーインターフェースの問題だけではないようですが。

最後に、ZAKZAK(夕刊フジ)をソースに書くのも何ですが、

しかも、誤発注の事実を即時開示せず、株主のみずほコーポ銀行と農林中金にだけ優先的に連絡していたことは、市場参加者にあるまじき行為で、イメージの大幅悪化は避けられそうにない。

これが本当だとしたら、困ったもんです、みずほ証券。

Comment(4)