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電波は信頼できないぞ

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自動車のスマートキーのトラブルのお話(参照記事)。RFIDみたいな仕組みで、人が近づくと勝手に鍵が開いて、遠ざかると勝手に鍵がかかる物なのですが、携帯電話からの電波の影響で、鍵を車内に置いたままでも(人が遠ざかったと判断して)鍵がかかってしまうというトラブルが多発してしまったようです。

本来はスマートキーを体から離したり、バックアップに通常のキーを持ってない利用者が問題なわけですが、別に普通のキーレスリモコンでも良いのに、こういうオーバーサービスの仕組みを作って余計なトラブルを呼ぶメーカー側も問題な気が。

そもそも、電波はアナログの世界ですから本質的に信用できないですよね。自分の車ではiPodをFMトランスミッターでカーオーディオに飛ばしてますけど、都心では雑音が入ることが多く、如何に外界に多くのノイズ源があるかがわかります。これから先、UWBとかPLCとかWiMaxとかが出てくるとますますひどくなってくるかもしれません。

このスマートキーもさんざんテストはやったはずですが、都心の自動車の中は予想以上にノイジーだったということではないでしょうか。

そういえば、今年の4月にシカゴでやったRFID Journal Live!という無線電子タグのイベントで、複数のユーザー企業の人が、「無線タグの性能については、ベンダーの実験室での結果は信用するな。現場の(ノイズだらけの)環境で追試するまでは何も言えない」というようなことを言ってたのを思い出しました。

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