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無線タグを黒歴史にしてはいけない

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以前、黒歴史の話でちょっと盛り上がった時に、インパク、シグマ、第5世代という最強(最凶?)トリオが挙がりました(て言うか、自分で挙げました^_^;)。要は政府主導型のプロジェクトは大失敗しがちということです。

なぜこんなことを言い出したかというと、今ちょっと無線タグ関係でいろいろ過去の記事をあさっていたら、経済産業省の新原浩朗氏のインタビュー記事「あなたの知らないICタグの(本当の)話」に響プロジェクトに関して以下のような興味深い発言があったからです。

それで研究開発のためのお金を18億円ほど用意したわけですが、いままでこういう話だと、業界がわーっと数十社集まってコンソーシアムを作る、いわゆるナショナル・プロジェクト方式となるのですが、僕はあのやり方が、とても嫌いです。なぜかというと、そういう連合だと、誰が責任を取るのかが不明確だから。うまくいかなかったときに、誰の責任なの?と言うときに、きまって「あの会社が悪かったんだ」とか責任のなすりつけあいが始まって、結局「みんな悪かった」という頭の悪いガバナンスを露呈してしまう。だから僕はとても嫌い。

さすがわかってらっしゃるという感じです。

日本の無線タグの政策も、ちょっと前は大根に無線タグを付けてリーダーにかざすと産地情報を読み上げる(実際には、タグのIDからデータベースをルックアップしてるだけ)なんて現実味のないデモをして、不安だなーと思っていましたが、最近になりやっと正しい方向性に向かってきたようです。無線タグは単なる流行では終わらない超重要技術だと思っているので、なんとしても黒歴史化は避けてほしいものであります。

#ちょっと夏風邪気味で更新滞ってますが、来週には回復予定。

#今やってる仕事の〆切はすべて厳守しますのでご安心ください^_^;>各社編集担当の皆様

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