国産万年筆:Namiki Falcon
ビンテージものばかりでなく、もう少しまともな(?)万年筆を買おうと思い、国産の現行品をと考えたのですが、個人的にとても引っかかるのが、「ピストン吸入式がほとんどない」という点です。国産万年筆はカートリッジ・コンバーター式ばかりで、コンバーターはピストン式とほとんど違わないとも言えますが、軸の中でインクが揺れる様子が見えないのがイマイチなのと、軸がただのカバーというのが趣味的に引っかかるのでした。実用的にはコンバーターの方が不調になってもそこだけ交換できますし、洗浄も楽であるなどメリットが多い気もするのですが。
プランジャー式のパイロットのカスタム823なら軸の中にインクが入っている様子が見えるのでよいと思ったのですが、それなりに高価なのと、どうせならソフトな書き心地のフォルカンが・・・とか考えていたらなかなか買うチャンスがなく・・・
結局、パイロットのエラボーの輸出仕様である、Namiki Falconにしました。
残念ながら新品ではなく中古で、オークションです。
変わった形のペン先で、YouTube動画で有名になったペンですね。ニブの刻印がPOLITではなくNAMIKIのものが欲しかったのでした。最近は輸出仕様もPILOTになっているようです。
取りのくちばしのような形です。
残念ながら、コンバーター式です。
ここもPILOTではなくNAMIKIです。現行のエラボーはゴールドではなくシルバーで、オヤジの私は黒には金だろう、ということで、輸出仕様のファルコンが欲しかったのでした。
同じブランドのインクということで、パイロットの色雫「月夜」を入れておきましょう。
ファルコンはよくしなるということで、Fのペリカン100nと書き比べてみました。まあ、確かにしなりますが、ビンテージの柔らかいタイプに比べるとそうでもないかも知れません。しならせるとインク供給が追いつかなくなり、割とすぐにかすれてしまいます。もっとも、ファルコンはこういう書き方のためにしならせているのではなく、日本語の表現力のためだそうなので・・・。確かに日本語は書きやすい気もします。細長いペン先を見ながら書くと、かなり独特の使い心地で楽しめます。
とはいえ、前のオーナーが無理したのか分かりませんが、書き出しでインクが出ないことが多く、ニブの調整をすることに。新品を買ってないので、出荷時の様子が分からないのですが、ペン先が少し開きすぎなのと、ペンポイントの形がいわゆる「馬尻」っぽい感じがします。先端を狭めて、ペンポイントの形を変えることに。。
ファルコンは前から抜けばよいらしいのですが、引っ張っても抜けそうもないので、後ろから叩き出しました。かんたんに取れます。カートリッジ・コンバーター式なのにパイロットはペン芯が細すぎないのがよいですね。モンブラン144よりはるかに手入れがしやすいです。
ニブはかなり短い感じで、首に差し込まれる長さが少ない感じです。
何度か調整し、書き出しのかすれはほぼなくなった感じです。海外の動画を見ても、ファルコンは書き出しのかすれが多い気がするので、ペンポイントの出荷時調整で引っかからないことを優先しているのかも知れませんね。引っかかるよりも書き出しのかすれの方がはるかに気分が悪い気がしますけど・・・。