仕事で「楽しい」という表現の受けとられ方は変わった気がする
毎回タイミングを逃している感じのする、オルタナトークですが、、「仕事は楽しく?」について少し書いてみます。
昔、昔、もっとずっと昔・・・(さだまさしの曲の詩です)、あれはまだ私が社会人3年目くらいだったと思いますが、こんな出来事がありました。。
社内の朝礼での出来事です。
社長:「名古屋での販売店さんの展示会に参加した報告をしてください。」
メンバー:「あ、はい・・・えーっと、お客さんもたくさん見に来てくれましたし、販売店の皆さんにも良くしていただいて、とても楽しかったです。」
社長:「仕事で『楽しい』とは何事だ!出張経費を使って何をしてきたんだ!!」
と、こんな感じのやりとりがありました。出張に行ったメンバーは入社半年くらいの女性二人で、営業や広報担当ではなかったのですが、展示会の応援に行かされたという立場です。私は今でもこの出来事はかなり鮮明に頭に残っています。
展示会で出展側に立つ仕事は、決して楽な仕事ではありません。一日中立っていますし、知らないお客さんが入れ替わりやってきて、想定外の質問もたくさん受けなければなりません。なかなかお客さんが集まってくれないようであれば、カタログを渡しながら呼び込みをすることもあるでしょう。
私としては、営業担当でもないのに展示会に行かされ、それで「楽しかった」と表現できるということは、結構前向きにがんばってきてくれたのではないかと受け取ったのです。いやいや取り組んだら「楽しい」とは言わないと思います。
確かに、社長が聞きたかったことは、「楽しかったかどうか」ではなく、「展示会の様子はどうだったか、成果はありそうなのか」ということだったわけで、報告の内容に問題はあったのですが、叱られるというか、怒鳴られることなのか?という点が今に至るまで頭の中でモヤモヤと残っているのです。
さて、そんな出来事から20年くらい経ち、当時の社長は会長として指導を続けてくれていますが、「自分の仕事を愛せないようではだめだ。本気で取り組んでいなければ、今の時代生き残れない。」というような話をされます。これは私の表現で言うと「仕事を楽しめ」ということなのです。
昔は、「仕事は指示通りにやれ。自分勝手なことはするな。」と言われることが多かった気がします。昔はプロダクトアウトの時代でしたから、良いものを作れば売れる、ということで、気持ちや姿勢より、確実さを求められていたのかも知れません。今の時代はメンバー一人一人が自主的に行動して、お客さんの求めるものを見つけ出し、作り出していかなければ仕事がない時代とも言えるでしょう。世の中が求める仕事への取り組み方が変わったのではないかと感じています。
私自身は、入社当時から、指図を受けるのが嫌いで、自分で何かを生み出したい、と考えて、事業部を自分で立ち上げ、仕事の内容も稼ぎ方も自分で生み出してきました。開発の仕事でも、部屋に閉じこもってひたすらコーディングするよりも、お客さんの現場に行って、ピリピリした雰囲気の中で自分がどう動くべきかを考えながら仕事をしてきました。「苦しかった」とも言えますが、やっぱり「楽しかった」と思います。やらされ仕事からはなかなか楽しみは感じられないかも知れませんが、自発的な仕事は、ほんの小さな変化や成功でもうれしさを感じられますし、やりがいがあるので、楽しいのです。
ずっとメンバーにも、仕事は楽しむように言ってきましたし、採用する際にも、仕事が好きになれそうな人を選んできました。楽しみがあれば、試練を乗り越えていけるものです。
そういう意味で、私は今の不景気も、「仕事を楽しんでいる人が活躍できる状態」と前向きに考えて、楽しんで乗り越えていきたいな、と思っています。