化学とITの選択
珍しく時事ネタっぽい感じですが、ノーベル化学賞、すばらしいですね。やはりなんだかんだ言っても日本人が高く評価されるというのはうれしいものです。
ということで、化学に関するお話しでも・・・
私は大学時代、工業化学を専攻していました。子供の頃から化学反応が好きでしたが、そのきっかけは学研の「科学」でしょう。「学習」も取ってもらっていましたが、子供の頃から理系っぽいものが好きでしたので、断然「科学」が好きでした。そろそろ配達される頃になると、ワクワクしていたものです。
教材の中に、試験管と試薬を使って化学反応を楽しめるものがたまにありました。試験管というだけでたまらないと思っていた私は、確か小学5年生の誕生日のプレゼントに顕微鏡セットを買ってもらったと思います。父が中学の先生でしたので、出入りの業者に頼んで、なんと!内田洋行の本格的な顕微鏡本体と器具一式を買ってもらったのでした。ちゃんと木箱入りのやつです。天体望遠鏡と顕微鏡の選択で顕微鏡を選ぶのは珍しいかも知れません。もっとも、その高級顕微鏡は数日のうちにレンズを使えない状態にしてしまい・・・交換可能な対物レンズの質感に惚れてしまい、これはきっとアルコールに漬けておけばいつでも綺麗な状態で使えるだろうと、使っているとき以外はアルコールに漬けておいたら、あっという間にバルサム(レンズを貼り合わせているもの)が剥がれてしまったのでした。。すぐに父・業者経由で交換してもらいましたが。まあ、それはともかく、試験管やアルコールランプ、試薬などがたっぷり揃って、楽しんでいました。
当時一番好きだった化学反応は、酸とアルカリの中和反応で、よく酢と重曹を台所で混ぜていました。ブクブクと泡を出しながら反応する様子がたまらなかったのですが、部屋中酸っぱい臭いになるのが大変でした。
その後、大学を受験する際に、化学科と工業化学科を受験し、工業化学科に進学したのですが、実験は楽しいものでした。大学ともなると、濃塩酸や濃アンモニア水なども使うわけで、実験中にこっそりその2つを混ぜてみたら・・・ボン!と原爆雲のようなものがドラフター(換気扇)に向かって流れていき、その後教授に叱られました。。
と、化学は好きだったのですが、就職はIT系です。大学2年からプログラミングのアルバイトを今の会社ではじめたのですが、実験の楽しさよりも、プログラミングの楽しさが勝ったということと、なによりも、コンピューターは若者がすぐに上に立てる、という点がポイントでした。化学は長い歴史があり、大学を出たくらいではろくな研究職には就けず、自ら切り開けるような状態になるのは相当の経験を積んでからだろうというのは、大学の先生たちの様子を見て感じていました。それに比べるとコンピューター関連は歴史が浅く、年配者ほど苦手、ということで、すぐに活躍できるだろう、と考えたわけです。
実際に仕事を始めてみると、確かに技術的には若くてもすぐに活躍できましたが、ビジネスとしてはいろいろと大変な思いを経験しました。それでも、今までちゃんと食えていますし、独学の分野にもかかわらず、著書を9冊書くこともできました。
すでにコンピューターも私がはじめた頃に比べると成熟してきた部分も多く、これからチャレンジしようという人にとってはイメージが違うことでしょう。
いずれにしても、これだと思う分野にこだわり続け、きちんと結果を出せるよう、私もまだまだがんばりたいと感じたのでした。