巨大化するSNSが失う「クール」さ
人が多くなると、薄まってしまう。
排他的に共有していた何かが失われてしまう。
オンライン/オフラインを問わず、コミュニティはそういうものだと思います。
スケールを志向し、オープン路線に舵を切ったFacebookを肴に、
SNSビジネスが規模を拡大する方法を考察した記事を読みました。
"Losing Their Cool: The Downside of Expanding Hot Social Networking Sites" - Knowledge@Wharton
考察の部分だけつまみ食いすると、SNSを複数のブランドに分けて希釈化を防ぐ一方、ユーザーがなるべく長い期間にわたってそれらのSNSを乗り継いでくれるよう顧客関係を構築してはどうか、というアイデアが出されていました。例に挙がっていたのはP&Gやトヨタ。日本で言えばアパレル(オンワード樫山など)や外食チェーン(すかいらーくなど)、育児・教育(ベネッセなど)でもお馴染みのやり方ですね。
なるほどな、とは思いますが、どうかな、とも思います。
物販とSNSとでは、何か違いそうです。
この違和感の正体を考えていて……ちょっとだけハッときましたよ。
若向けにはこのブランドで攻めて、年取ったらこっちに乗り換えてもらって…という戦略自体、既に売り手発想です。SNSの財産がコンテンツの蓄積でなく、人と人のつながりが生みだすダイナミクスだとすれば、ユーザーを乗り換えさせるのではなく、SNSがユーザーコミュニティと共に老いていってはどうでしょうか。例えば1976年生まれ専用SNSとか、そういうことです。
ちなみに上記の記事は音声でも読み上げてくれます。僕には読み通すのがちょっと辛い、長い記事でしたが、声がペースメイクしてくれるので楽でした。12分弱で読了。