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エンタープライズコラボレーションの今と今後を鋭く分析

零細企業と大企業では既存顧客の囲い込み、中堅企業では情報共有が営業部門の課題

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 三三の調査結果についての続きになるが、SFAやCRMあるいは名刺管理を検討する際に参考になるデータが、スライドの11枚目にある。以下にそのスライドを引用する。

20120316

 システムやツールを利用して効率化したい営業業務についての設問への回答なのだが、回答者の勤務先の企業規模ごとで差異が見られるのだ。
 最もニーズの高かった「既存顧客の定期的なフォロー」だが、これは10人以下の零細企業と5000人~10000人という大企業で高く、その間の規模の企業では若干低い。零細企業は特定の顧客にべったりついていき大企業はビジネスモデルや取引関係が確立されていて既存先と強固につながっているということだろうか。中堅企業の場合はより新規顧客開拓に目が向いていて、その結果「見込み顧客フォロー」のほうへの回答が増えていると私は読み取った。ただ10000人以上の超大企業になるとまた中堅企業と同じ傾向になっているのはちょっと謎。

 そして図にもあるが「営業活動・進捗状況の共有」は300~1000人規模を頂点に100人~10000人規模の企業間で山を描いている。人間が生物学的にお互い同士良く理解し合えるのは150人が限界だとするダンバー数は有名だが、今回の結果はまさにこれに合致している。ちなみに1000人を超えると情報共有ニーズが若干下がるのは、その規模になると組織が複数階層あるいは縦割りに分割されるからだと推測する。

 2つとも営業支援系のシステムやツールを販売するときには覚えておきたい傾向だ。

 調査は勤務先の総人数とのクロス集計になっているが、これをもし営業担当者の数でみることができたらもっと面白い仮説が立てられるかもしれない。

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