2011年度携帯は1.2倍、薄型テレビは2.2倍
2011年度、携帯は12億台、薄型テレビは1億3000万台出荷――NRI予測
野村総合研究所(NRI)は12月19日、薄型テレビや携帯電話、ロボットなど7市場について、2011年度までの世界市場出荷台数予測を発表した。2011年度に薄型テレビは約1億3000万台、携帯電話は約12億台出荷されると予測している。
数字のビューポイントを変えると真実が見え隠れしてくるものだ。
デジタル関連の予測ほど難しいものはないと思うが、放送市場の、地上デジタル市場が現在の6807億円(2006年)の世界市場が、2011年(4年後)には2兆1490億円と3.15倍も拡大するところに一番注目すべきだろう。
薄型テレビは1億3000万台出荷と控えめであるが、伸び率は、薄型テレビの台数は、2011年までに2.2倍であり、ハードディスクレコーダーは1.8倍である。
携帯電話は12億台(2011年度)と60億全世界人口の2割に達する出荷量であるが、伸び率は4年かけて現在の
たったの1.2倍である(2006年、9億5500万台)ところに注目するべきだ。
しかしである。今から4年後の世界ではきっと薄型テレビとは、テレビだけでなく、PCとも共有しており、写真やドキュメントのブラウザが搭載された薄型ブラウザになっていて、誰もテレビなんて呼ばないと予測できる。
ハードディスクレコーダーの標準は、Blu-RayとHD-DVDのハイブリッド、もしくは、次々世代DVDが搭載されていてもおかしくないので、呼び方に困る。もしかするとPCともハイブリッド化していることだろう。
携帯電話とデジタルカメラも、再融合して、通信は定額で低額が当たり前、IPフォンとして、Skypeなどが標準搭載され、家庭内のリモコンとしてだけではなく、社会全体での、本人証明のようなIDとしての役割を担うことだろう。すると、携帯キャリアのビジネスモデルは、音楽プレイヤーやモバイルISPのほかに、データ照会のような新サービスを特化しているかもしれない。端末機種がバラエティに富んでくるだけキャリアのビジネスは、さらに広がることだろう。しかし、キャリアの数社だけの独占的な市場に対しても、IPとからみあうことによって、もっとオープンな市場になり、携帯産業はホテルのコンシェルジュのようなサービスになっていてもちっとも不思議ではない。