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マーケティングのはじめの一歩は消費者を理解することから。変化する消費者動向をとらえるためには仮説が大事。このブログでは消費者理解のための様々な仮説をデータに基づいてご紹介。商品開発・ブランディングのコンサルタントとして、あらゆる市場のイノベーションを目指して日々格闘している大久保惠司がお届けします。

「iPad miniな男性」を調べてみた -データから見るペルソナ図鑑(29)-

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 「最近のアップルの新商品発表は、面白くない。」なんてことを言う人が増えてきました。今年の10月22日の発表も、ジョブズさんが生きていた頃には考えられないのですが、事前に漏れてきた情報通りだったので「目新しさがない」などという声も聞こえてきます。そんな状態だからiPhone5sの発表時は株価が下がる、なんてこともあったのでしょうが、それはそれで期待感の裏返しということなのでしょう。それにしても、生前のジョブズさんの徹底した秘密主義は、サプライズを生むためのものだったのかと、妙に納得してしまいます。

 10月の発表の目玉はやはりiPadですね。超スリムなiPad Airと、正常進化してきたiPad mini。どちらを買うか迷いに迷って、今情報を集めているところです。日本でもようやくタブレットがPCの代替えとして定着しつつあり、これから一大マーケットを形成するのかと思うと、とても楽しみです。

 と、言うわけで今回からタブレットユーザーの実態を、シングルソース消費者パネル「ぺるそね」で見ていきたいと思います。最初はiPad miniからです。


【タブレット市場を眺めてみると...】

 ぺるそねの回答者30,473名中、タブレットを使っている人は4,969人いらっしゃいます。タブレットの普及率はぺるそね全体の16.3%です。今年6月に発表された総務省の調査でも15.3%と公表されていましたので、だいたい合っているかなと...。

 男女比は男性が61.7%、女性が38.3%で、男性が多い。平均世帯年収は684万円で全体平均(596万円)と比較し高めです。機種別のランキングではトップがiPad mini Wi-Fiモデルで、第二位がNexus 7。ぺるそねではiPadに関して機種別で選択してもらっているので、ベスト10の内7機種がiPadとなっています。iPad以外でベスト10に入ったのはNexus 7とKindle Fire HDとSONY Tablet Sの3機種でした。

 男女比×平均年齢の軸でポジショニングしてみると、男性が多く、若いエリアに集中しているのがわかります。最も男性比率が高いのはNexus 7で、年齢も最も低くなっています。その他は葡萄の房のように重なり合っています。

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【iPad miniな男性の特徴】

 iPad mini Wi-Fiモデルを使用している男性を「iPad mini な男性」としましょう。デモグラフィック的な面から見てみると、平均世帯年収が759万円とかなり高い人達で、男性全体の平均617万円を142万円も上回っています。会社員、会社役員、自由業の対比倍率が1.2〜1.7倍となっており、仕事でも使えるデバイスを自分のお小遣いで購入している人達が多いようです。このようなスマートデバイスを駆使し、情報を得ている人が一般男性に比較し2.3倍ほど高く出現しているところも特徴的です。

 雑貨、インテリアショップに行く人が多く、留学・海外生活に興味が高い、おしゃれでグローバル志向の高い人達です。一般男性に比較し興味の対象は広いようです。語学、ファッション、家事・料理、ライブ・イベント、ビジネス・キャリア、デザイン、生涯学習、癒やし・ストレスフリーなどへの興味を持っている人の割合が、一般男性と比較して、1.6〜2.1倍高くなっています。

 趣味は写真撮影・映像撮影、グルメ、ショッピング、音楽演奏などで、対比倍率1.5倍となっています。また、ジョギング・マラソンをする人の割合が一般男性の1.5倍、水泳が1.7倍とスポーツがスタイルになっている人達なのかも知れません。

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【新しモノ好きでブランドモノ好き】

 消費傾向を見てみると「ブランドものを持つのが好き」で、「新商品の情報はマメにチェックしている」人達で、目指すセルフイメージは「センスがよい」「懐が深い、包容力がある」と思われたい人達です。当然、デジタル家電については半数以上がとても関心がある、と答えており、新商品への食いつきのよいイノベーター気質の人が一般男性に比較し2.6倍ほど高く出現しています。

 着ている服はリーバイス、ギャップ、ポロ・ラルフローレンなどの対比倍率が高く、無印良品も好みです。割と若い頃に着たブランドの好みが続いている、という印象です。バッグはポーターが大好きですね。全般的にアップルユーザーはポーターのバッグが好きな人が多いようです。時計はタグホイヤー、オメガ・スピードマスターの他にスウォッチなどの所有率も高くなっています。

 写真撮影や映像撮影が趣味なのでデジタルカメラは何を使っているのかと見てみると、対比倍率ではニコンのDシリーズ、EOS、LUMIX Lシリーズが高いのに加え、ソニーのαシリーズの所有対比倍率が3倍を超えています。他にCyber-shotなど、全般的にソニーのデジカメが好みです。

 もちろんスマートフォンはiPhoneがトップ。一般男性の3.2倍の出現率。さらにパソコンはMacBook Airでこちらも一般男性の10.0倍です。ところが、数で見るとVAIOが所有率20%と僅差でトップでした。いずれにしてもアップル好きな人達がかなり含まれていることは事実ですね。面白い所ではサントリーの黒ウーロン茶をよく飲んでいます。そろそろ体型が気になっているけど、なんとか現状をキープしたいと考えている人達が多いことの現れでしょうか。

 いつものようにペルソナ・イラストを掲載しますのでご参照下さい。

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 さて、iPad miniな男性を見てきましたが、いかがでしたでしょうか。次回はiPad miniのライバル(?)である、Nexus 7の男性ユーザーを見て行きたいと思いますので、どうぞお楽しみに。


*データは「ぺるそね」調べ。2013年8月 n=30,473
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