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社員の時に見ていた店の状況、オーナーになってから見ている店。見ている方角が違うとこんなにも違うコンビニの光と影。お客様とは何にも関係無いところで巻き起こるあれやこれ。(笑

酒好きが酒を売ると商売にならない

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「なんのこっちゃ」という感じのタイトルで始まりましたが「酒好きが酒を売ってはいけない」と、商売人の中では昔から言われていることなのです。毎月実施されている誠ブログオフ会、後半は懇親会と称した飲み会です。その中での話の流れでこんな話をしたら反応があった為、ブログにします。

昔のドラマに出てきそうな商店の駄目オヤジが売り物の酒を飲んでしまって、奥さんが「商売にならない」と嘆いているような内容とはちょっと違うことだと、私は考えております。「売り物を飲んでしまう」という商売の根本を揺るがす話ではなく、好きなモノは私心が入り過ぎて肝心なものが見えなくなるのです。

私の例で説明します。
私の酒好きは過去のブログでも触れてきましたが、飲むのが趣味と言ってもいいでしょう(手は震えていませんよ)。主にビールですが、日本酒からウォッカまで、好き嫌いはあれど何でも飲みます。一人で出掛ければ、必ず酒の美味そうな店を探し、朝だろうと昼だろうと酒を注文します。そんな生活をしていると、専門家ほどではないにしろある程度の酒の知識が増えてきます(体重も増えますが)。
その酒の知識を商売に活かしたい。商売人らしくそんなことを考えているわけですが、それが上手くいかないのです。

昨年のクリスマス。その知識を存分にふるいました。そして、撃沈したのです。
クリスマスといったらワインやスパークリングワインの販売が上昇します。そこで、モエ・エ・シャンドンのシャンパンを仕入れたのです。モエ・エ・シャンドンと言えば傘下にあのドン・ペリニヨンを有す有名なシャンパン製造社です。値段も手頃で記念日の飲み物、簡単な贈り物等、個人的に色々な場面で使わせてもらっております。
クリスマス当日、シャンパンを求めるお客様に説明。しかし、他のスパークリングワインと比べるとちょっと高い為に売れず。単なる酒オタクの知識を振舞っただけに終わりました。
お客様は単なるスパークリングワインを求めていただけなのです。便宜上スパークスワインを「シャンパン」と言っているだけで、それが、ドン・ペリを作っている会社だとかシャンパンとはシャンパーニュ地方で作られたモノだけの呼称だとか、どうでもいいわけなのです。
結果、仕入れた5本中3本がまだ残っております(涙

こんな感じに、自分の嗜好を売り場に表現した場合、それがお客様の嗜好と合わない限り失敗を繰り返すのです。しかし、好きなモノのこだわりは消えず「なんでこの売場の素晴らしさをわかんないかなぁ」などと自画自賛するだけで、一向に反省することはありません(汗
ところが、自分の興味の範疇に無い商品群は基本に忠実です。販売状況を確認して、販売構成の高い商品を優先し、しっかりとお客様のニーズを捉えて商売をしています。
しかし、こだわりが生きる例外もあります。販売している場所が専門店である場合です。「品揃えを深くすると商圏が広がる」という話は叉の機会にしましょう。


【付録】
私が近くに行けば必ず寄ってしまう店(一人ぼっちでビール編)
◯Kirin-City(キリンビール派の私はついつい寄ってしまうのです。主に八重洲地下街の店に出没します)

◯PANINO GIUSTO(「Morette~モレッティ~」というビールが気に入り、東京丸の内の丸善に行くときは、ついつい寄ってしまいます。oazoの1Fにあります)

◯Franziskaner(田舎者な私は六本木ヒルズに初めて行ったとき、迷子になり喉の渇きに耐え切れず入った店です。美味しいドイツビールにすっかり魅了され、たまに六本木へ行くときは必ず寄ってしまいます)

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