書評:採用基準
こんにちは。走る社長、貫洞です。
伊賀泰代さんの「採用基準」を読みました。
この本を読む前から、マッキンゼーに対する漠然とした憧れはありました。しかし、この本を読んで、「ああ、やっぱり!脳ミソをボディービルのように鍛えられる素晴らしい会社なのだろうな!」と、改めて惚れ直しました。
本の目次はこうです。
序章 マッキンゼーの採用マネージャーとして
第1章 誤解される採用基準
第2章 採用したいのは将来のリーダー
第3章 さまざまな概念と混同されるリーダーシップ
第4章 リーダーがなすべき四つのタスク
第5章 マッキンゼー流リーダーシップの学び方
第6章 リーダー不足に関する認識不足
第7章 すべての人に求められるリーダーシップ
終章 リーダーシップで人生のコントロールを握る
読み進めて行くと、マッキンゼーという組織が、なぜここまで少数精鋭の組織で、かつ、一度でもマッキンゼーに在籍したことのある人が「できる人」であるかを、まざまざと実感させられます。そして、自分は「成長グラフで言うと、今どこ?」という現実を目の前に突き付けられ、軽い負荷がかかった状態で読み進められます。(筋肉と同じ、脳が鍛えられている感覚ですね)
文章のタッチは軽く、非常に読みやすいです。「へぇ~」と流して読めば、「なるほど!マッキンゼーって凄っ!」でさらりと読み終えることさえ可能でしょう。しかし、この本の醍醐味は、その徹底した「リーダーシップ論」にあると思います。
・全体最適を求めるからこそ出るのがリーダーシップ
・リーダーシップはチーム全員に必要
・身近で問題が起こった時、最初に声をあげられる人はリーダーシップがある
等、具体的な実例や表現を交えながらリーダーシップ論が繰り広げられていきます。
日本の教育、社会では、みんなの意見を聞き、誰もが納得するように折衝することや、組織の和を乱さないように調整する事こそがリーダーシップであるように思われています。でもそれは「調整役・マネージャー」であってリーダーではありません。この本ではそういう「つい勘違いしてしまう」部分を浮き彫りにしてくれます。そして、リーダーシップとは、素質だけでなく、鍛えて身につけることができるものだ、と勇気づけてもくれます。
タイトルの「採用基準」は、マッキンゼーの採用基準のことで、この本を読むと、少しだけその部分に触れることができます。あと10年早くこの本を読んでいたら、間違いなくマッキンゼーに履歴書送っていたと思います、私(爆)