ネットワークビジネスの結末
グループ内の複数人のまとめ買いによって一気にポイントを上げて、短期間でタイトルを獲るやり方をしていたため、そのネットワークビジネス会社は急成長していました。
何を隠そう、私もそのやり方で滋賀では二人目となるプロデューサーになったのです!
別に隠しているわけではなく、全部暴露していますが。(笑)
しかし、私に続く者が出なかったため、その後も大した収入にはなりませんでした・・・。
ポイントを稼ぐためだけに何十万円もの買い物をするわけですから、当然ながら苦情やトラブルも発生します。
自発的ならともかく、その場の勢いで会員になった当日に購入させようとする人もいたので当然です。
ちなみに、私は無理強いすることはなかったので、トラブルも何もありませんでした。
ピーク時の会員は20万人を超えていましたので、そのうちの数%が無茶をしたとしても、相当な数になります。
それが当事者間とかグループ内で収まらずに、会社にクレームが寄せられるようになりました。
「クレームが寄せられる」というよりも、実際はクレームが殺到していたのです。(笑)
会社がそのやり方を推奨しているわけではありませんので、会社としては正しいやり方でやるように指導を広めようとしていました。
そうした情報はプロデューサー会議で周知されて、プロデューサーがグループに伝えなければならないのですが、肝心のプロデューサーが無茶をしているケースも多く、焼け石に水でした。
無茶なやり方をしていることは少しずつ社会認知されていきました。
社会現象やニュースに出るというわけではありませんでしたが、噂が噂を呼んで、良からぬ情報がどんどん広がっていったのです。
その結果、会員数は頭打ちになり、勢いは消えていきました。
それだけなら良かったのですが、しばらくして会社が潰れてしまったのです。
普通なら、その状況で会社が潰れてしまったら、連絡も取れなくなるパターンが多いですが、この会社は違いました。
事務所機能や電話窓口を残して、会員のサポートをし続けたのです。
それからしばらくして、私は未使用の商品を返品しようと窓口に電話しました。
電話口には疲れた感じのおっさんが出て対応してくれました。
そのやりとりの中で、ただ者ではないことがわかり、「ひょっとして社長ですか?」と聞くと、「はい、社長の○○です・・・」と言われました。
最後の最後は、社長自らが残務整理をしていたのです。
それからしばらく話をして、「もう疲れちゃいましたよ・・・」とポロッと本音を言われたのが今でも耳に残っています。
周りが無茶なやり方をしたために、急成長した会社も短期間で潰れてしまいました。
でも、そのやり方をしなければ、成長することなく消えていた会社かもしれません。
私としては、その頃にはやる気が薄れていましたので、ちょうど良かったというか、うまくネットワークビジネスから離れることができました。
潰れてしまったので何も残りませんでしたが、会員として急成長の会社が体験できましたし、プロデューサーとして会社の内部も見られましたので、良い経験になりました。